潜水士とは
潜水士は、海や河川、湖、下水、ダムといった水の中に長時間潜り、潜水器を用いて送気やボンベからの給気を受けながらさまざまな作業を行う仕事です。
たとえば魚介類の採取、水中での土木建築作業、船舶の修理、沈没船の引き上げ、海洋調査、など、潜水士が行う作業内容は多岐にわたります。
もちろん、海で遭難した人などを助ける
海難救助も重要な仕事のひとつです。
このような水中作業を行うためには、「潜水士」の
国家資格の取得が不可欠。
水中は気圧をはじめ、環境条件が陸上とは異なるため、安全に作業を進めるためには
専門知識と技能を身につける必要があります。
潜水作業は危険も多いですが、潜水士にしかできない業務をこなしていくことから、
大きなやりがいを感じられる仕事だといえるでしょう。
潜水士になるには
潜水士は、潜水業務を行う会社や組織に就職して働くことが一般的ですが、そのような場において潜水士としての仕事をするには、
「潜水士免許」の取得が必要となります。
潜水士免許試験は筆記試験のみとなっており、実技試験は実施されません。
また、受験資格もないため、本人であることさえ証明できれば誰でも受験することが可能です。
しっかりと勉強しておけば、
合格自体はさほど難しくないといえるでしょう。
しかし、たとえ筆記試験をクリアして潜水士免許を取得できても、
潜水の技能を身につけなければ実際に仕事としてやっていくのは難しいといえます。
というのも、潜水士はただ潜るだけでなく、潜ったうえで建設作業や船舶の修理、撮影、海底調査など、さまざまな業務をこなさなくてはならないからです。
また、水中という私たちが日常生活を送る陸上とは異なる環境に身をさらすことから、
リスクも背負う仕事です。
潜水士として
一人前になるまでには、最低でも10年はかかるといわれることもあり、自分の命を守るためにも、まずは潜水に関する正しい技能を身につけておく必要があります。
潜水士の給料
潜水士の給料は、勤務先となる企業や組織によって異なります。
危険も伴う特殊業務に就くことから給料は比較的高めといわれており、
平均年収は600〜700万円程度、ベテランになると
年収1000万円を超す人もいます。
建設工事に携わる場合でも、陸上と水中では難易度に相当な差があるとされ、水中での作業をこなせる潜水士は好待遇で採用されやすいです。
専門知識と技能を要する潜水士は、正社員として働く人が多いことも特徴のひとつといえるでしょう。
勤務先や作業内容によっては、潜水士以外にも溶接や塗装、小型船舶操縦、クレーンといった各種免許や資格の取得が必要とされる場合があります。
そうした技術を要する業務に携わる場合には、
基本給自体が高めに設定されていたり、取得した
資格に応じて手当が加算されることもあるようです。
このように、潜水士といっても活躍の場はさまざま。
海洋建設に携わる場合は職人としての技量を示すための資格が必要とされたり、レスキューを行う場合はそれに関わる訓練をこなす必要があるなど、どのような分野で仕事をするのかによって、潜水技術以外に身につけるべき技能や知識が異なります。
それぞれ就職先も変わってきますので、潜水士を目指す場合、潜水士として何がしたいのかをよく考える必要があるといえるでしょう。