消防士（消防官）は、地方自治体の消防本部や消防署に所属し、火災の消火や救急によって、人々の安全を守る仕事です。
「消火」「救助」「救急」「防災」「予防」の5つの活動が主な任務となります。

・消火活動
みなさんご存じの火を消す仕事。火災の通報を受けて現場にいち早く出動し、火災現場からの出火をくい止め、現場や近隣などからの人命救助を実践します。

火災の件数はそれほど多いものではありませんが、日頃から訓練を重ね、すぐに火災現場に駆けつけられるように常に出動の準備をしています。

・救急活動
119番の通報を受けて交通事故などによってケガを負った人、急病人に対して応急手当てを施し医療機関に搬送します。

・救助活動
災害現場などでの人名救助。火事・山の崩落・河川が主な活動現場となります。
火災現場では逃げ後れた人を救助し、交通事故の現場では、車にはさまれたり閉じ込められたりした人を助け出します。

・防災活動
火災が起きないようにパトロールなどの啓蒙活動を行います。
災害を未然に防ぎ、被害を最小限にくい止めるために不可欠な任務です。

学校などでの防災訓練もここに含まれ、火災や地震のレベルを想定したり、地域の地形に基づく被災パターンなどを分析し、地域にそった訓練を行っていきます。

・予防活動
建物の防火上の安全性や消防用設備等の設置について現場を検査し、その結果に基づく指導を行う業務です。

工事中や竣工時には実際に建築現場に出向き、施工状態を確認したり、防火に対する基準を満たしているか等を厳しく検査します。


小さい消防署になりますと、消防の仕事以外に救助、救急の仕事も兼務しています。火事があれば消防車で出動、事故があれば救助工作車、病人であれば救急車で出動するそうです。
出動があれば報告書の作成。これが結構細かい事まで書くみたいで大変なんだとか。
どこも書類仕事というのは大変そうですね。

実際に火事にならなくとも、ボヤやいたずらによる通報で出動することもあるそうで、こういった場合にも報告書が必要になります。

夕方5時を過ぎると基本的には待機時間。
テレビを見たり、卓球をしたり、トレーニングルームで筋トレもする隊員もいますし、仮眠をとるのも自由です。
待機の間でも1〜2時間ずつ電話当番を交代します。深夜の道聞きが意外と多いのだとか。


消防士は地方公務員として働きますが、職務の危険性や特殊な勤務体系から公安職の俸給表が適用され、一般の職員よりも高めの給与水準となっています。

消防士の年収の平均は718万円。月給だと基本給が36万円で諸手当を含め月平均65万円となっており、民間企業と比較すると非常に高くなっています。

消防士には特殊勤務手当てというものがあり、
・危険作業手当
・不快作業手当
・重勤務作業手当
・非常災害業務手当
・消防業務手当
などの手当てがつきます。

30代で平均年収は600万円、40代になると720万円といわれており、50代では800万円以上となっています。
各自治体によって給料は異なりますが、基本的に毎年昇給していき、出動手当や不要手当などの諸手当が支給されます。

また、業務中の怪我や殉職に備えた補償制度も整っており、危険と隣り合わせという覚悟が必要ですがその分安定した生活は保証されていると言えるでしょう。

消防士という仕事は、人の命や財産を守る仕事です。
人の命や財産に直接かかわり、それを守るという仕事はそう多くありません。

実際に消防士となって活躍している人のやりがいを聞いてみると「命や財産を守ることができる」というところに誇りを持っているという人がとても多いです。

日々の訓練はとても辛いものですが、その訓練やトレーニングの成果を発揮して人を助けることができた時の喜びは何にも勝るものがあるのでしょう。