アスリートから学ぶ男前、第7回は何度も挫折と失敗を繰り返しながらも自らを「100年に一人の逸材」と呼びつづけ、新日本プロレス「奇跡のV字復活」の立役者となったプロレスラー棚橋弘至選手から男前の秘訣を学んでいきたいと思います!
期待されることがエネルギーになる
今でこそ「プロレス界の立役者」の棚橋選手ですが、高校時代までは野球選手を目指していたそうです。
小学5年生の頃より野球を始め、高校まで続けていましたが結果を残せず断念。
選手がダメならスポーツ関係の記者になろうと立命館大学に入学し、そこでプロレス同好会に入ったことで人生が変わっていきます。
野球をしていたときは「人に期待されたい」という気持ちが強かったという棚橋選手。
応援されるとか、期待されることが棚橋選手にとっての喜びで、チームメイトたちの期待に応えるために練習していたのかも、と考えていたそうです。
それはプロレスを始めてからも変わらず、観客席から「棚橋コール」が起こると、リングで倒れていても立ち上がる。
「自分のためにがんばる」より、「人のために何かしたい」という時の方が練習にも力が入るという棚橋選手、正に男前のメンタルという感じですね!
やりたいことができないなら、できる環境を作る
棚橋選手が初めてIWGPのベルトを巻いた2006年当時、新日本プロレスはどん底の状態でした。
90年代までの人気絶頂期を支えた看板選手が次々に他団体へ移籍。
他の格闘技がどんどんと流行り、押されるようにプロレス業界は縮小していきます。
「ここではやりたいことができない」と皆が業界から離れていく中、棚橋選手は「やりたいことができないなら、やりたいことができる環境を作っていけばいいじゃないか」と
、先輩レスラーたちと試合の合間の移動や食事で顔を合わせるたび、どうすれば会社がよくなるかを語り合います。
自分を曲げず、別の場所に行くのではなく、自分のやりたい環境をつくる、というのは理想的ではありますが、そう簡単にできることではありません。
今の環境を作り上げるまでに大変な困難があったことは想像に難くありませんが、それをなしとげる不撓不屈の精神を見習いたいものです。
「期待」こそがエネルギーを生む原動力
日本中を回って年間100試合以上をこなすレスラーは「見られる商売」。
プロレスラーには完全なオフはありません。
しかし、棚橋選手には独自に発見した「疲れないメカニズム」があるのだとか。
「疲れたときこそ、『お前はこんなものか』と自分に期待することです。そうすることで人は何度でも奮い立ちます。僕が『100年に1人の逸材』を自ら名乗っているのも、自分に期待をかけて、努力を促すためです」
棚橋選手はリングの上はもちろん、試合後のパフォーマンスやファンサービスにおいても、常に全力を尽くしています。
10のうち、たった1でも気を抜けば、人は頑張った9の方に目を向けない。
期待を得て、それを維持していくには、辛くても常に全力を尽くし、寄せられた期待以上のものを返していくしかありません。
日々全力を尽くし、周りの期待を力に変え、期待以上のものを返すことで常に進化を続ける。
苦しい中、耐えて耐えて光をつかんでいくのが棚橋流の男前といえるでしょう。