アスリートから男前な精神を学んでいくコラム。第14回は世界一過酷な格闘技と言われるミャンマーの国技"ラウェイ"で世界チャンピオンを目指す「金子大輝」さんから男前を学びます!
経歴:金子大輝
1994年生まれ、埼玉県出身。
体操一家に生まれ、幼少期から器械体操を学んでいたが、高校生のときに格闘漫画『グラップラー刃牙(バキ)』を読んで総合格闘技に目覚める。
高校3年時から格闘技ジムに通い、ブラジリアン柔術と総合を開始。
大学進学後もジム通いを続け、一時は警察官を目指すものの格闘家としての道を進むことを決意。
2013年の関東アマチュア修斗選手権ライト級での準優勝をキッカケにプロ格闘家として本格的に活動を開始していく。
2016年からはミャンマーの国技でもある「ラウェイ」に専念。
手はバンテージのみを着用し、パンチ、キック、ヒジ打ち、ヒザ蹴りに加え、頭突きや投げ技、立ったままの関節技、さらには故意と見なされなければ金的攻撃も反則にならないというルールで行われる「世界一過酷」な格闘技です。
「相手を倒す」ではなく「自分のベストを尽くす」
あるとき、対戦相手のことを「絶対倒す」と発言したら、ジムのオーナーである会長から「"自分のベストを尽くす"ことに集中しなさい」と叱られたことがあったそうです。
闘志を燃やしつつも、リングの外では相手を常にリスペクトし、リングに上がったら命をかけて獣のように闘う…。
そんな喜怒哀楽が詰まった競技がラウェイなのだと、そのとき理解したという。
仕事においても、「○○よりいい成績を…」「□□がこうしているから…」などと自分と誰かを比べ続けてしまっていては足元が疎かになってしまい、自分のベストを発揮することが出来なくなってしまいます。
競い合うことは時に大切ですが、そればかりではなく、相手を尊重し、「お互いに高めう」関係を作っていけるようになりたいですね。
常にチャレンジし続ける姿勢が産んだ絆
日本、中国で総合を続けていた金子さんですが、ある時成績が伸び悩んでしまい、強くなる方法が全くわからなくなり何かを変えないと、と焦りを感じていました。
そんな時に参加したのが「ラウェイ」で、今の自分を大きく変えるのはラウェイ戦しかないと考えたそうです。
試合はミャンマーの新年を祝う試合で、相手がチャンピオンでしたが、得意とするボディーへのキックがうまく決まり勝つことが出来ました。
ミャンマーのジムにも受け入れてもらえ、日本人初のプロラウェイファイターがミャンマーのプロのジムで練習していると、ミャンマー中に報道もされ、現地でのファンが急増。
2017年3月の試合は、日本人では初めてミャンマーチームとして招待されKO勝利。
勝利や名誉だけでなく、そのことで新たな絆にも出会えたといいます。
努力を惜しまず、常に前に進んできたこの結果は、正に「男前」といった感じですね。
ラウェイの王者になれる日まで、戦い続けたい、競技の過酷さにも、相手との体格差にもひるまず、心折れることなくリングに立ち続ける姿を多くの人に見てほしいという金子さん。
皆さんも是非、金子さんの前向きな姿勢を見習って「男前」さに磨きをかけてみてはいかがでしょうか!?