クリスタル・スカルの謎
【クリスタル・スカル】は現在、十数個が確認されていてそのほとんどが
マヤ文明やアステカ文明・インカ帝国といった中南米の考古遺物とされている。だが、当時の技術水準から考えてあまりにも精巧に造られているとも思えるためにオーパーツとして取り上げられるが、
本当に出土品であるかどうかについて懐疑的な説がある。
ヘッジス・スカル
中でも
1番有名なのは、1927年探検家のミッチェル・ヘッジスによって発見された『ヘッジス・スカル』。ヘッジスがマヤ文明の遺跡を発掘していた時にルバントゥンという町の廃墟にあった祭壇の下で発見したと言われている。
この水晶製のドクロ、通称「クリスタル・スカル」(別名ヘッジス・スカル)を1970年代後半にヒューレット・パッカード社へ持ち込み分析を依頼。すると結果は、
頭蓋骨と下アゴが一つの同じ水晶から作られており、工具を使った形跡が見当たらないというものだった。
さらに、工具無しでこのクリスタル・スカルを手作業で作った場合、約300年はかかるとも言われている。
【ヘッジス・スカルの特徴】
・1個の水晶から造られていて「下顎骨」部分は取り外し可能である。
・道具による加工痕がない。また、ひびも入っていない。
・水晶の石目を無視して彫られている。
・復顔をした場合、マヤ人と同じモンゴロイドの顔立ちになる。しかし年齢は特定できない。
・制作年代は不明。
・下から光を射すと目に光が集中する。その光を凝視していると1分弱で大半の人が催眠状態に陥るという。
・太陽の光を当てると全体が虹色に光る。
・ロウソクの炎を当てると紫色に光る。
ヘッジス・スカルの分析結果
しかし近年、水晶ドクロの分析結果について驚く内容が公開されている。
70年代後半にヒューレット・パッカード社が検査をした際には、工具の跡は発見されなかったことになっている。
ところが実は、その後詳しい検査によってヘッジス・スカルに工具の跡が発見されている。
1980年、アメリカの研究者フランク・ドーランドによる検査と、2008年にスミソニアン博物館が行った電子顕微鏡検査で、ヘッジス・スカルの歯の部分の表面に機械を使って磨いた跡が見つかった。
しかも、スミソニアン博物館の検査では、近代的なダイヤモンド使用した高速回転式の道具の使用跡も見つかっている。平行で真っ直ぐな線が特徴的な近代工具の跡だとわかる。アメリカ考古学会の機関誌『アーケオロジー』によれば、ヘッジス・スカルは古代に作られたものではなく、
1880年〜1930年頃に作られたものだと考えられるという。
その生産地として有力視されているのは、ドイツのイーダー・オーバーシュタインという町。この町は中世以来、世界的に知られた石細工の中心地で多くの水晶加工職人がいたことがわかっている。
彼らは職人気質で口が堅く、生産者として名乗り出ることもなかった為、古代の作品としておきたいクリスタル・スカルにとってはうってつけの場所だった。
クリスタル・スカルの伝説
最後この「クリスタル・スカル」には、
アメリカ先住民の伝説によれば世界に全部で13個のスカルが存在する…それらがすべて集まったとき、人類の起源、目的、運命、生命と人類の謎を知ることができ世界は救われるのだという。
実際には、水晶ドクロは偽物である可能性のあるものを含めて2012年の時点で既に19個発見されている。
謎の多いクリスタル・スカル…果たして、解明される日は来るのだろうか?