世界最強を名乗る格闘技は数あれど、真に『最強』とよばれる格闘技はいったい何なのか…。
総合格闘技をはじめ、漫画『グラップラー刃牙』『喧嘩稼業』や小説『餓狼伝』など様々な媒体で議論されるこの話題。
インライフでは独自の視点で『世界最強の格闘技とは』いったい何なのかを研究していきたいと思います!
今回は日本人選手がオリンピックでメダルを取ることの多い
『レスリング』について、その理由や強さを調べていきます!
レスリングは日本人が有利?
レスリングのルールには
『グレコローマンスタイル』と
『フリースタイル』の2種類が存在します。
オリンピックでは男子のみ
グレコローマンとフリーの2種が行われ、女子レスリングは
フリースタイルのみとなります。
「グレコローマン」とは「ギリシャとローマ」のという意味で、古代ローマの
パンクラチオンが元となっているルール。
腰から下を狙ったり、下半身への攻撃が禁止されており、タックルなどができないためスープレックス等の
投げ技を中心とした試合展開がメインとなります。
フリースタイルは上記のような制限はなく、タックルを中心とした試合が多いです。
日本ではこのフリースタイルが中心的に行われています。
これは元々フリーがアメリカで普及しており、そこから日本で広がっていたためです。
オリンピックでは、グレコローマンスタイルだとロシアなどがメダルを多く取得するなか、
フリースタイルにおいては日本人選手のメダル獲得が目立ちます。
これはアジア系人種、ひいては日本人の体型によるところが大きく、ヨーロッパなどの白人系の選手に比べ
日本人は小柄なためタックルがより低いところから打てるという有利さがあります。
逆にグレコローマンスイタイルではタックルは禁止されている上、投技がメインで上半身の筋力が重視されているので、小柄な日本人選手には向いていないと言われています。
レスリングの特徴
現在レスリングの選手で最も有名であろう人物はアテネオリンピック金メダリスト、
119連勝という記録を持つ世界女王・
吉田沙保里選手でしょう。
吉田選手のトレーニングを調べてみたところ、2人を背負って坂道を登ったり、人を抱きかかえての背筋鍛錬や人を背負ってのスクワットなど、とてもハードな内容。
しかし、吉田選手とレスリング歴がまだ浅い選手に柔道着を着た上で対戦したところ、吉田選手は
格下の選手に技を一切出せずポイントを奪えないまま試合終了となりました。
吉田選手曰く、「
襟や袖をつかまれるとタックルに入れない」というのです。
実は、レスリングは古来裸で行われていたスポーツの為、相手の腕や手首などをつかんで技をかけます。
柔道着はつかみやすいので、握力が弱くても相手の攻撃を封じ込めることができますが、相手の腕や首などより太いところをつかむレスリングでは握力で勝る選手がより、強い選手となります。
裸同然で戦うレスリングは、
より強い握力を必要とする格闘技だったのです。
考察
現代の総合格闘技において、ボクシング、柔道に並んで出身者が多いレスリング。
フィジカル面の強さがあり、総合ルールにおいて強みとも言える寝技や投技が得意な選手が多いためと言われています。
また、他の格闘技出身者でも応用の利く技が多いため、レスリングを学ぶ選手は多く、レスリングの強さが伺えます。
中でもレスリングにおけるタックル、クラッチ、ガブりと呼ばれる相手の仕掛けたタックルを上から体を乗せることで潰す技術などは転用可能な技術である為、大抵の選手が身につけています。
前述で衣服を掴まれればタックル等ができなくなる、と書きましたがそれはあくまでもレスリング選手側が道着などを着用した場合。
通常のレスリングのスタイルであれば
掴まれること無く低空からのタックルを決めることが出来るでしょう。
しかし、
足技に対しての応用が基本的に存在しないレスリングは、ムエタイ、テコンドーなど足技主体の格闘技に対しては不利な要素が多いかもしれませんね。