その年を彩った映画作品自体へと賞が贈られる、アカデミー賞の最重要部門である『作品賞』。
今回ノミネートされたのは、下記の9作品。
(1)アメリカン・ハッスル
(2)キャプテン・フィリップス
(3)ダラス・バイヤーズクラブ
(4)ゼロ・グラビティ
(5)her/世界でひとつの彼女(6月28日公開)
(6)ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(2月28日公開)
(7)あなたを抱きしめる日まで(3月15日公開)
(8)それでも夜は明ける(3月7日公開)
(9)ウルフ・オブ・ウォールストリート
この中で、特に最有力と言われているのが、『それでも夜は明ける』だ。
1841年にワシントンD.C.で誘拐され、奴隷として売られた黒人を描いた“アメリカの奴隷時代”を扱った社会派映画。
アカデミー賞の前哨戦として知られる『ゴールデングローブ賞』で作品賞を受賞しており、最も期待の高い作品と言えるだろう。
対抗馬として目されているのが、日本でも既に公開され話題を呼んだ3D映画『ゼロ・グラビティ』。
宇宙船の船外活動中に漂流物に襲われ、宇宙の彼方へと放り出されてしまった女性飛行士の死闘を描いたSFサスペンス作品。宇宙空間を最先端のVFX(特撮)を駆使して表現おり、信じられない映像美が観客を釘付けにし、世界各国で大ヒットを記録した。製作費は1億ドル、製作期間に4年の歳月を費やした超大作だ。
この本命2作品以外の注目作として推したいのが下記の3作。
『ウルフ・オブ・ウォールストリート』は、実在する詐欺師「ジョーダン・ベルフォート」の伝記・コメディ映画。
監督のマーティン・スコセッシと、主演のレオナルド・ディカプリオは、今作で通算5度目となるタッグを組んでいる。
『アメリカン・ハッスル』は、1970年代後半のアメリカを揺るがした政治家などの収賄スキャンダル、アブスキャム事件を題材にしたサスペンス映画。
テンポのよさやスピード感が批評家の間で評判が良く、先立って行われた『第79回ニューヨーク映画批評家協会賞』で、作品賞、脚本賞、助演女優賞を受賞した。
最後に紹介したいのが『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』。
中年男性とその父親が、当っていない賞金を手に入れるために旅をする話。
“父と息子のハートウォーミングな物語”と題された同作。白黒映画で、インディーズ色が強く、地味に思われがちだが、小津安二郎を彷彿とさせる温かさが魅力の映画だ。
授賞式は、日本時間3月3日(月)午前9:00より、WOWOWプライムにて独占生中継される。日本のスタジオでは、ジョン・カビラと夏目三久が案内役として登場。スタジオゲストには、これが3年連続出演で大の映画好きとして知られる斎藤工が出演を予定している。果たしてどの作品が受賞するのか… 気になるところだ。
生中継! 第86回アカデミー賞授賞式 | WOWOWオンライン
上記で取り上げた映画の中には、現在公開中や、今週末に公開する作品がある。授賞式を前に注目作品をチェックし、「あぁ、あの作品観たよ。アカデミー賞取ったんだって?まぁ取るだろうなぁ、面白かったもん。」と他人相手にツウぶって、出来る男を演じてほしい。