元SMAPの俳優:稲垣吾郎(45)と阪本順治監督(60)が初めてタッグを組んだ映画『半世界』の先行上映会が31日(木)、大阪・北区のTOHOシネマズ梅田でおこなわれ、主演の稲垣と阪本監督が舞台挨拶をおこなった。
ストーリー
山中の炭焼き窯で備長炭の職人として生計を立てている紘(稲垣吾郎)の前に、かつての同級生であり元自衛官の瑛介(長谷川博己)が突然故郷に帰ってきます。瑛介は、紘の仕事を見て「こんなこと、ひとりでやってきたのか」と驚く…
しかし、紘自身は深い考えもなく単に父親の仕事を継ぎ毎日をやり過ごしてきました。
紘はもう一人の同級生、光彦(渋川清彦)に、息子への無関心を指摘されます。
仕事の忙しさを言い訳にし、紘は息子の事も家庭の事も妻・初乃(池脇千鶴)に任せきりでした。
仕事のみならず、家族にすら無関心だった自分に気づかされる紘。
やがて、瑛介が抱える過去を知った紘は、仕事、そして家族と真剣に向き合う決意をします…
作品解説
『エルネスト もう一人のゲバラ』『北のカナリアたち』などの、日本映画界を代表する監督、阪本順治が、稲垣吾郎主演で贈る完全オリジナルストーリー。
かつて一緒に過ごした三人組のうちのひとりが前触れもなく田舎へ戻ってくる。何があったかを決して口にせず、仕事を辞め、家族と別れ、ひとりで帰ってきた。ワケありの仲間の帰還が、残りのふたりにとっては「これから」を考えるきかっけになっていく。
諦めるには早すぎて、焦るには遅すぎる40歳目前という年齢の男3人の視点を通じて、「人生半ばに差し掛かった時、残りの人生をどう生きるか」という、誰もが通るある地点の葛藤と、家族や友人との絆、そして新たな希望を描くヒューマンドラマ。
舞台挨拶
炭焼き職人役の稲垣吾郎と登壇した阪本監督は「こんなに人がいるとは思わなかった」と約700人の観客に驚いており「涙が出そう…(笑)」と冗談を交じえて挨拶。
稲垣は、撮影前にホテルの一室で阪本監督と会い、今回の原案を渡された稲垣は「2人きりだったんで緊張しましたよ。プロットを読んでって言われても、目の前で監督が見てるし」それに対し阪本監督は「違う意味で?(笑)提出した側も同じですよ。だから見えないように冷蔵庫開けてビール飲んでました」と話すと稲垣は「全然知らなかった」と驚きを見せていた。
撮影は、2018年2月から三重・南伊勢町でおこなわれた。稲垣は「伊勢神宮まで電車で行って、そこから車で1時間のところ。不思議な土地でしたね。見たことのない景色、神々しいというのがピッタリでした」と撮影現場の空気感を伝えた。
その後も稲垣は「近鉄線にすごく愛着が湧きました。東京から名古屋まで新幹線で行って、そこから近鉄線に乗り換えて。すごく古い車両と、妙にスタイリッシュで新しい車両があるんですよね〜。今日はどっちかなって。座り心地は新しい車両がいいんですけど、僕は古い車両の方が心落ち着きましたね(笑)」と当時を振り返っていた。
終始明るい雰囲気の中行われた舞台挨拶で、最後には報道陣だけでなく観客の皆さんも撮影OK(動画もOK)というサプライズに観客は歓喜を上げた。
稲垣は、客席に向かって「ちゃんと撮れてるんですか?見せてもらえますか?」と客席に歩み寄り「いいですね。あ、ちょっとジャケットの肩幅広すぎる?ちゃんと加工して、実際よりキレイな感じでツイートしてください(笑)」とファンサービスを行った。
阪本順治監督は「つぶやきはSNSじゃなくても出来ます…信号で渡るときに向こうから来た人に…『半世界…』ってつぶやいてください(笑)」など笑いを入れて最後の挨拶を締めくくった。
映画『半世界』
2019年2月15日(金)公開
監督:阪本順治
出演:稲垣吾郎、長谷川博己、池脇千鶴、渋川清彦、ほか
配給:キノフィルムズ
公式サイト:
http://hansekai.jp