第8回目となる今回は『ビッグコミックオリジナル』にて、2003年から2006年まで連載され、単行本は全11巻で完結した作品
『最強伝説 黒沢』の主人公「黒沢」から学んでいきたいと思います。
『黒沢』は現在、同『ビッグコミックオリジナル』で8年間の昏睡状態から黒沢が目覚める所から再開し、『新黒沢 最強伝説』として復活連載されています。
【漫画のあらすじ】
44歳の土木作業員・黒沢の、哀愁と苦難の日々を描く。
2002年12月、穴平建設に勤務する現場監督・黒沢は、ふとしたことをきっかけに、自分の人生が余りにも満ち足りていないという事実に気付き、焦りを覚え始めていた。
おりしも44歳の誕生日、その日を誰にも祝って貰えなかった黒沢は「人望が欲しい」という欲求を抱き、これを機に人生を変えようと奮闘する。
紆余曲折の末、後輩らの信任を勝ち得た黒沢の元に、次から次へと新たな騒動が舞い込み、図らずも黒沢は様々な修羅場を潜り抜けてゆくこととなる。
最高に何をしても裏目裏目になってしまうダメな男黒沢が、「人望が欲しい」と奮闘しようやく手にするその姿から「オトコマエ」なポイントを分析していきます!
「目指すから人間だ!!!」
○オトコマエポイント
この作品は実に「人間らしさ」という部分について教えてくれます。
中でもこのシーンは、黒沢が『シートン動物記』を読んで奮起するシーン。
「動物(ウサギ)は、逃げてばかりの人生。でも卑屈ゼロ。なぜなら連中は生きているだけで勝ち!」という境地に達します。
黒沢が注目したのは、彼らは"動物"であるということ。連中と違い、自分は"人間"であると再認識するのです。
「生きてりゃ十分なんて誰が思うかよ!みんなそれぞれ理想の男像・人間像があって、それを目指すから人間だ!」と続けます。
実にハッとさせられますね。
自分が人間で、男なら、しっかりと理想や目標を持って行動しないと"動物"と同じなのです。そういったことを改めて思い出させてくれるオトコマエなシーンです!
「人を虫ケラ扱いしたらアウツ!それをやったら、やられた方は決起!奮い立つしかなくなる!」
○オトコマエポイント
今度は逆に、ホームレスに絡む不良に黒沢が言った「人間は人間を決して踏みにじったり、見下したりしてはいけない」というセリフ。
その後に加えたセリフが上の言葉で、これはどんな人間でも、虫ケラ扱いされてしまったら怖いものなしになってしまうということです。
しかし、これはほとんどの人が気づいていないことでもあります。そこまで言われても、ふさぎ込んだり、じっと黙ってしまう方が多いのです。
それではオトコマエにはなれません。自分が信じたことや、自分自身を否定されてしまった時には、奮い立つしかないのです!
こういった"覚悟"を決めることが男であるためには必要不可欠ではないでしょうか。
「男だろ…って…!」
○オトコマエポイント
とことん世間から外れ、自分の夢と現実に差がありすぎて、自分の理想にはもう何してもなれないと語りだすシーン。
何事からも逃げ、目の前の小さな喜びだけを味わって生きてきた黒沢。男性なら誰もが小さい頃から言われてきた言葉「男だろ」。
「重いものを持ったり、力のない人を助けたり、自分の理想にはなれずとも男にはなれる!」と、同じように自分から逃げてきた皆に語り奮起させます。
楽な方に行くのは簡単です。しかしその選択を続けすぎれば「食えればそれでいい毎日」になってしまいます。
男なら、男になりたいなら、そんな生活から抜け出しましょう!それこそが自分を誇れる唯一の手段なのです。
そんな損しても笑っていられるような人間こそオトコマエなのではないでしょうか。
まとめ
黒沢はオトコマエとは程遠い人間です。しかし、そんな黒沢が「人望がほしい」と奮起するのです。
この「奮起する」ということが大事なのです。自分はオトコマエにはなれない。自分は何をやってもダメ。そんな風な考えをしてしまってはなれるものもなれないのです。
黒沢も、奮起した後は必至にもがき、何度も行動が裏目になってしまいますが、それでも諦めませんでした。
そのおかげで転機が訪れ、最後には自分の理想「人望がほしい」という望みを叶えるのです。
自分の今の境遇に満足していない方はぜひ一度この漫画を読んでオトコマエを目指してみてはいかがでしょう。