テンガロンハットがトレードマークのギタリスト「ウルフルケイスケ」が、同じバイト先の「トータス松本」と「ジョン・B・チョッパー」を誘って1988年「ウルフルズ」が結成された。
この3人のバイト先だった「カンテ・グランテ」は、大阪・中津にあるインド喫茶。アジアン雑貨の販売や、ギャラリーとしても運営している個性的な同店は、ウルフルズファンの聖地として知られている。
バンド名の由来は、メンバーお気に入りのLPレコードのジャケット(KC&ザ・サンシャイン・バンド)の帯にあった“ソウルフル”の文字が改行のため「ウルフル」と読めたことに由来。
その後、「サンコンJr」をドラムに迎え入れ、1992年に東芝EMIからメジャーデビューを果たす。1stシングル『やぶれかぶれ』をリリース。
しかし、関西では人気を誇っていたウルフルズも東京では鳴かず飛ばず。1stアルバムの『爆発オンパレード』は、チャートにランクインするどころか、リリースからわずか数ヶ月後には廃盤が決定するなど、散々なセールスだった。
これ以降、地道なライブ活動を続けながら、機を待つ。大瀧詠一や山下達郎らと一緒に音楽活動をしていた伊藤銀次氏を音楽プロデューサーにし、1994年アルバム『すっとばす』をリリース。収録曲の『借金大王』が、関西のFM局を中心に頻繁にOAされるなど、徐々に認知度を上げていく。
そして、決定的だったのが翌年の1995年に発売されたシングル『ガッツだぜ!!』だ。
この曲は元々、レコード会社のスタッフ会議に持って行ったデモテープに、おまけとして収録した物だった。当初、この曲を作ったトータス松本は「こんな曲が売れるわけがないし、売れたら困る」と難色を示していたが、スタッフ、さらにバンドメンバーもこぞって「これは売れる!」と断言。リリース後、じわじわと売上げを伸ばしていき、オリコンチャートで最高6位を記録、約66万枚のセールスを記録し、1996年の第47回紅白歌合戦にも初出場するなど、ウルフルズが全国的にブレイクしたきっかけの曲となった。
その後もヒット作を連発するウルフルズ。
100万枚を超えるセールスを記録した7枚目のシングル『バンザイ 〜好きでよかった〜』
のような、時代を超えても愛され続ける心に響き渡るストレートな楽曲が、彼らの代名詞となっていった。
1999年には、ジョン・B・チョッパーが作家に転身するために脱退を発表。暫く3人編成で活動をするが、2003年に日比谷野外音楽堂で行われたフリーライブにて復帰を果たす。1度脱退したバンドメンバーをもう1度、快く迎え入れる懐の深さや、その後リリースされたジョン・B・チョッパーの復帰を祝福する曲『ええねん』(24thシングル)を発表するなど、家族のような温かさがウルフルズ最大の魅力だろう。
2009年に無期限の活動休止を発表。
それから約4年半の歳月を経て、2014年2月25日に、公式サイトで活動再開のアナウンスがされた。
復活第1弾として、2月25日に配信限定シングル『どうでもよすぎ』をリリース。
2月28日のテレビ朝日『ミュージックステーション』では生放送出演をすることが決定している。
更に、5月21日には、約6年半ぶりのリリースとなるオリジナルアルバム『ONE MIND』も発表。初回生産限定盤(77,777枚限定)は、『ガッツだぜ!!』などの代表曲10曲が収録された【ベストアルバム付き『復活だぜ!!』盤】仕様となっている。
NEW ALBUM
『ONE MIND』
2014.5.21リリース
初回生産限定盤(ベストアルバム付『復活だぜ!!』盤/復活記念 77,777枚限定)
WPCL-11844/5 ¥3,500(税別)
【Disc1】全12曲収録
『どうでもよすぎ』『ヒーロー』『ブヤカシャ―!』『とまらへん』『らせんのファンタジー』『きこえてくるのはいつもココロの声』『わかるぜ!その気持ち』『ど真ん中』『ジャンケン』『メイド イン ジャパン』『あついのがすき』『あーだこーだそーだ!』
※収録曲順未定
【Disc2】全10曲収録
『ガッツだぜ!!』『ええねん』『バンザイ〜好きでよかった〜』『大阪ストラット』『借金大王』『サムライソウル』『かわいいひと』『笑えれば』『それが答えだ』『SUN SUN SUN’95』
※収録順未定
2014年最新デジタルリマスタリング音源
通常盤
WPCL-11846 ¥2,800(税別)
【Disc1】収録
秋には全国ツアーの開催も決定。ウルフルズのメンバーは復活に際し、「また全力でバンドやります!よろしくお願いします!」と力強いコメントを残している。
活動休止中にメンバー全員が40代に突入し、グッと“いい男”度を増したであろうウルフルズ。彼らのアッパーでお気楽な楽曲やライブパフォーマンスをこれからも期待したい。