金に最も近い男:成田緑夢
「元気や勇気」届ける!!
東京パラリンピックまであと900日となった9日、障がい者スポーツの冬の祭典・平昌パラリンピックの開会式が行われ、熱戦の火ぶたが切られる。過去最多のメダル数に沸いた平昌五輪の流れに続こうと、パラリンピアンたちも4年に1度の大舞台で活躍を誓う。日本勢は車いすカーリングを除く5競技に38選手が出場。
金メダルに最も近い日本人選手と言えば、この男を外すわけにはいかない…
スノーボードクロス(下肢障害その他の部)成田緑夢。
現在、世界ランキング1位。2月に行われた今季W杯最終戦では、バンクドスラローム、スノーボードクロスをともに制した。昨年3月のプレ大会でも、2種目ともに表彰台に上がり、平昌のコースに苦手意識もない。軸足となる左足にはアルペンタイプの硬いスキーブーツを履く。障がいのある左の足首を固定させることで、ターンにスピードと安定感が増し、好成績につながっている。
常に笑顔の成田は、言葉の表現も独特で面白い。「みんなメダルって言うけど、メダルを獲ることは僕のストーリーにはない。僕が滑って活躍する姿を見て、元気や勇気を持ってもらえること。それがパラを目指すゴール」。
パラスノーボードが初めて実施された4年前のソチでは、成田のクラスは米国勢が表彰台を独占した。正式競技としては初となる今大会。表彰台の中央には成田の姿が見られるはずだ。
成田緑夢(なりた・ぐりむ)
1944年2月1日生まれ、大阪市出身の24歳。2014年、フリースタイルスキーの練習中の事故で左足に障がいを負う。15年にパラ陸上を始め、パラスノーボードは16年に国際大会初出場。今季はW杯総合王者に輝き、現在世界ランキング1位。