第50回目となる今回は、アニメや映画化もされたバトルファンタジーの傑作漫画『ベルセルク』の主人公・ガッツから男前を学んでいきたいと思います。
「ベルセルク」は魔法を使ったり、エルフが登場したりモンスターが出てきたりと、王道的なファンタジー世界観。
「ロード・オブ・ザ・リング」なんかを観たことがあればすっと入り込めるのではないでしょうか。
主人公ガッツは小さい頃からの傭兵で、「鷹の団」と呼ばれる傭兵団に誘われ、信頼できる仲間達と共に過ごします。
しかしある時、鷹の団団長グリフィスの狂気によって団の仲間たちはほとんど死に絶え、世界をモンスターの溢れる魔境へと変貌させられてしまいました。
そんな中でガッツは心を失ったかつての恋人を守り、全ての元凶となったグリフィスを倒すため旅を続ける…というストーリー。
タイトルの「ベルセルク」というのは「バーサーカー」と言い換えたほうが単語的には知っている人が多いかもしれません。
主人公ガッツは、正気を失うほどの怒りや憎しみをもってグリフィスと対峙します。
達人にでもなるのを待ってから戦場に出るつもりか?
○オトコマエポイント
剣士となって名を成す事を夢見る泥棒少年イシドロに対して、剣術の指南を乞われたガッツとの会話。
まずは基礎から固めていくもんじゃないのか?と尋ねるイシドロに対して「何年掛けるつもりだ?気の長い話だな」と答えるガッツ。
ビジネスにおいても、なにかを成し遂げようとして、その時から万全になるまで準備をしていたらあっという間に時は過ぎてしまいます。
準備不足だろうと何だろうと、やるしか無いんですよね。
自分が今持っているスキルや資格がどんなに貧弱でも、なんとかやりくりするしかないんです。
資格なんかは動き始めてから勉強しても遅くはありません、その都度自分で出来る精一杯を出し続けましょう。
辿り着いた先、そこにあるのはやっぱり戦場だけだ
○オトコマエポイント
霧の谷の近くの村に住む少女ジルに対してガッツが去り際にかけた言葉。
ジルの幼馴染であり、使途となって人間を虐殺していたロシーヌを倒して、ジルには家に帰るように諭します。
現実から逃げ出しても、今度は新しい場所でそれまでとは違う努力をして戦わなくてはならないことには違いありません。
楽園は自らの「努力で勝ち取るもの」だと言うことですね。
まあ「逃げるが勝ち」という言葉もあったり、最近はとてつもないブラック企業もあったりするので、絶対に逃げるなというのもまた違うとは思いますが、それでも現実から目を背けていては前に進むことはできません。
辛くても前を向き、一歩づつでも踏み出せる、そんな「オトコマエ」の精神を身に着けたいものです。
あいつの夢に埋もれるわけにはいかねぇんだ
○オトコマエポイント
グリフィス率いる鷹の団を抜ける覚悟をしたときのガッツの言葉。
ガッツは鷹の団に所属し、魅力的なリーダーと気さくな団員、あたたかい雰囲気のなか次第に居場所を得ていきます。
しかし、あるときグリフィスが「友人とは、自分と対等の人間だと思っている」という話を聞いてしまいます。
この時ガッツは、自分はグリフィスと対等ではなく、ただの「優秀な部下」であったということに気づきます。
「鷹の団」のメンバーは、脅されたり強制されて働いているわけでありません。
自らの意志で選択し、鷹の団を居場所として身の丈にあった自分の「夢」を持っています。
でも、だれもグリフィスと対等になろうとは思ってはいませんでした。
そしてガッツはグリフィスの孤独を和らげるため、グリフィスの友人だと胸を張って言えるようになるために、鷹の団を抜けることを決めました。
どんなに居心地が良くても、大切な仲間のためなら全てを捨ててでも仲間のために行動する、まさに「オトコマエ」ですね。
まとめ
「ベルセルク」は、壮大な世界観と緻密な設定、そして圧倒的な迫力を持つ画面が細部までしっかりと作り込まれた作品。
物語のそこかしこに人間が魔物に嬲り殺されたりする描写が大変多いですが、だからこそ人の素晴らしさや大切さを知らしめてくれるのかもしれません。
一度ページを開いたなら、その重厚で独特な世界観へとグイグイ惹き込まれることでしょう。
大人の為に描かれたファンタジーと言っても過言ではない「ベルセルク」、皆さんもガッツと一緒に闇の深淵を覗き、「男前」の精神を見つけ出してみてください。