今、日本の映画館で飛ぶ鳥を落とす勢いで大ヒットしているアニメーション映画「君の名は。」。
今回はその「君の名は。」の監督であり、独特な世界観で注目を浴びる『新海 誠』さんから仕事術を学びます!
新海 誠
小さな頃からデジタル機器に触れていた新海誠さん。
マウスのない時代から自分で工夫して絵を書いていたそうです。
大学在学中に、ゲーム会社である日本ファルコムでアルバイトを始め、卒業後にそのまま入社。
RPGのパッケージ制作やキャッチコピーの作成を担当していました。この頃から絵や文才は光っていたようですね。
同社で働きながら、自主制作アニメーションに没頭し、2000年に「彼女と彼女の猫」という作品を作りプロジェクトチームDoGA主催の第12回CGアニメコンテストでグランプリを獲得します。
日本ファルコム退社後、現在のコミックス・ウェーブ・フィルムに所属し、2002年には初の劇場公開作品となる「ほしのこえ」を完成させます。監督・脚本・作画・演出・編集などほとんどの作業を自身一人で行った25分のフルデジタルアニメーションでした。
これほどの作業を一人でこなせたのは、人並みはずれた努力と熱意があったからでしょう。
ちなみに私も「ほしのこえ」で新海誠を知った一人です。
作品の良さはもちろん、これを一人で作ったと知ったときは衝撃を受けたのを今でも覚えています。
ここから新海誠の素晴らしい作品達が次々と誕生していきます。
作風
誰しも新海誠の作品を初めて観たときに、背景の美しさに引き込まれるはずです。
新海誠の作る作品は、全作品を通して「新海ワールド」と称されるほど風景の書き込みの細かさや緻密さ、美しさが特徴的です。
本人曰く、「思春期の困難な時期に、風景の美しさに自分自身を救われ、励まされてきたので、そういう感覚を映画に込められたら、という気持ちはずっと一貫して持っている」との事。
こういった自身の経験を芯にして作品を作ることで、それを周りにも伝えていきたいという気持ちは作品からも伝わってきますね。
また、「秒速5センチメートル」の公開後、2008年〜2009年の1年間をロンドンで過ごし、現地のクリエイターを対象としたデジタルアニメーション制作のワークショップを開催するなど、自身の想いや技術を世界に広げる活動もしています。
この経験も作品の中に活かされているのではないでしょうか?
君の名は。に込めた想い
新海誠さんが新作「君の名は。」を作る際に、気を付けたのは現代の若者がフレッシュに見られるような作品作りだそうです。
往年の映画好きに満足してもらう形よりも若い観客が2回3回と見直したくなるような形を目指しました。
1回で消化しきれない作品を作るのは難しくありませんが、詰め込みすぎて「よく分からなかった」という感想を持たれてしまっては元も子もありません。
映画に対する感じ方は人それぞれなので、たくさんの人が「ここが良かった」という部分をそれぞれ見つけて「もう一度観てみたい」と思ってもらえるようギリギリまで詰め込んだそうです。
SNSなどの口コミでの広がりは、そういった作品作りが今の若者達にぴったりはまった答えなのではないでしょうか。
いかがでしたか?
常に先を見ながら作品作りを手がける新海誠さん。
自分の想いを作品に込めて伝えることには努力を惜しみません。
こういった熱い想いを持った仕事ができる人になる事ができれば、周りからも評価されることでしょう。