各国の代表選手の華々しい活躍で盛り上がったリオオリンピックも、ついに閉会式を迎え、終わりを告げました。
そんなリオオリンピックの開会式で最終聖火ランナーを務めた
『バンデルレイ・デ・リマ』さんの事をご存知でしょうか?
実は最終聖火ランナーに選ばれるに相応しい精神を持った方なのです。
今回は
『バンデルレイ・デ・リマ』さんの過去の偉業とそこから感じる前向きな志を学んでいきます!
バンデルレイ・デ・リマ
バンデルレイ・デ・リマさんはマラソン選手として活躍。
日本の男子マラソン大会にも出走経験があり、1996年の東京国際マラソンでは優勝、1998年の同大会では自己ベストの2時間08分31秒で完走しています。
また、日本のテレビ番組「オールスター感謝祭」の名物企画「赤坂5丁目ミニマラソン」にも何度もゲストランナーとして出走していた為、日本でも知名度や人気の高い選手でした。
そんなバンデルレイ・デ・リマさんがブラジルを代表する選手として2004年にアテネオリンピックに出場。
メダルを期待され、それに応えるべく素晴らしい走りを見せるバンデルレイ・デ・リマさんに悲劇が起こります。
悲劇のランナー
アテネオリンピック男子マラソン、2位に20秒以上の差を付け独走。
誰もがバンデルレイ・デ・リマさんの金メダルを意識していた中、36km地点であってはいけないトラブルが起こります。
なんと沿道からの乱入者により妨害を受けてしまうのです。
これにより約10秒のタイムロス。
すぐにレースに復帰するものの、ペースが乱れ、後続に抜かれてしまい結局3位でゴール、銅メダルに終わりました。
この時、レースを妨害したイール・ホランという人物には執行猶予付きの禁固1年と罰金3000ユーロの判決が下されました。
前向きな志
妨害そのものや警備の不備があった中、バンデルレイ・デ・リマさんは
「完走出来て、オリンピックのメダルが獲得出来たことがなによりも嬉しく思っています。」「この銅メダルは『まだ私が金メダルを取ってはいけない』という、神からの試練なんです。」と、不満ひとつ漏らすことなく笑顔で前向きなコメントしています。
選手にとってオリンピックというのは特別な舞台です。
そこでトラブルが起きても、周りの責任にするのではなく、こんな言葉を言えるのは本当にすごい事だと思います。
バンデルレイ・デ・リマさんのこの姿勢に国際オリンピック委員会は銅メダルとは別に「ピエール・ド・クーベルタン・メダル(クーベルタン男爵の名をつけた特別メダル)」を贈呈。
ブラジルの最優秀スポーツマンも受賞しました。
こういった、スポーツマンとして真摯な志があったからこそ、リオオリンピックでの聖火ランナーに選ばれたのでしょう。
いかがでしたか?
周りからのトラブルによって影響を受けた時、バンデルレイ・デ・リマさんのように「これは神が与えた試練。」と考えるのはなかなか難しいかもしれません。
しかし、常に前向きな気持ちを持つことで、自身がみる視点も他人からの目もこれまでと変わることは間違いないでしょう。