私達は当たり前のように靴を履いて生活していますが、貧困地区では毎日のように小さな子供達が裸足で暮らしています。重い荷物を運ぶときも、長い道のりを歩くときも足裏の痛みに耐えながら生活しているのです。
そんな子供達の為に靴をプレゼントする事を考えた人物がいます。
今回はTOMS(トムズ)の創業者であり、世界の貧しい国で暮らす子供達に靴を贈り続けている二枚目起業家
『ブレイク・マイコスキー』さんから仕事術を学びます!
TOMSを立ち上げたきっかけ
大学在学中にクリーニング店を始めたり、広告代理店など12年間で5つの会社を起こしたりと若い頃から起業家として注目を浴びていたマイコスキーさん。
ある時、「アメージングレース・シーズン2」という視聴者参加型のテレビ番組に妹と一緒に出演します。参加者が番組から出される課題をクリアしながら世界中を旅して、最も早くゴールしたチームに賞金が出るという番組でした。
番組出演後、マイコスキーさんは番組で訪れたアルゼンチンに個人的に再訪しました。
現地でボランティア活動をした際に、貧困地区の現実を知ります。
子供達が毎日水を汲みに歩く道路は舗装されておらず、裸足のままでした。
傷ついた足からはバイ菌が入り、痛みに耐えながら重い水を運ぶ子供達の姿を見て、マイコスキーさんは
「靴を売った分と同じだけの靴を寄付する会社を始めよう」と閃いたそうです。
アメリカに戻ると、それまで経営していた会社を売り払い、小さなアパートでTOMSを創業しました。
若い頃から行動力のある人というのは分かりましたが、それまで自分が培ってきたモノを捨て、子供達の為の会社を新しく始めるという行動はとても勇気のいるものだと思います。
One for One
TOMSを起業したマイコスキーさんはブランドのコンセプトとして一つの約束を掲げます。
それが
『One for One』「1足の靴がお客様に購入されるたびに、靴を必要としている子供達に新しい1足の靴が贈られる」というものでした。
マイコスキーさんは「初めは靴の事も贈り物の事も、何も分からないままだったが、助けを必要としている存在の事は分かっていた。」と言います。
この気持ちに惹かれるようにTOMSはみるみる成長していきました。
ついには1000万足を越える靴を世界中の貧しい子供達に届けるまでになったのです。
マイコスキーさんは「TOMSが成長できたのは周りの支えがあったからだ。顧客や従業員だけでなく、批判的な意見にも耳を傾けることで、今のTOMSが成り立っている。」と語ります。
批判的な意見には耳を塞ぎたくなるものですが、それをしっかりと聞き入れることで人も企業も成長できる事を学べますね。
これからのTOMS
多くの靴を世界中に贈り続けているTOMSですが、ハードルは年々上がっていきます。
まだ靴がない子供達に贈るのはもちろん、一度靴を履いた子供達がまた裸足に戻らないように、前年度よりも多くの靴を贈り続けなければなりません。
その為、TOMSは発展国などに対し様々な呼び掛けやイベントを行っています。
日本でも「1日靴を脱いで過ごそう、裸足で歩こう」というイベントが行われているそうです。
家の中では裸足で過ごす人が多いと思いますが、普段の通勤で使用している道を裸足で歩くとなると、常に危険と隣り合わせであることを実感します。
熱くなったアスファルトだけでなく、小石や割れたビンの破片、ポイ捨てされたタバコなど、一歩踏み出すのも躊躇してしまうような状況を感じ、靴の大事さを知ってもらう良い機会になりますね。
こういったイベントを通じて、世界中の子供達が置かれている環境に気付いた時は「靴を買う」という行為に違った意味を持てるのではないでしょうか?
いかがでしたか?
今まで当たり前のように履いていた靴が、貧しい子供達にとってどれだけ必要なものか少しでも伝わればと思います。
利益獲得よりも社会貢献を優先する社長、従業員としては不安になる事もあるかもしれませんが、信念が伝わっているからこそ周りが支えてくれているのだと思います。
そんなイケメンな人間になりたいものですね。
TOMS公式HP