宇宙飛行士に必要な技能
宇宙飛行士は、
宇宙という特殊な環境で確実に任務をこなさなければならないため、他の職業に比べると
適性がかなり重視される職業です。いくら宇宙に行きたいという思いが強くても、向いていないと判断されてしまえば、残念ながら宇宙飛行士になることはできません。
では、宇宙飛行士にはどのような資質が求められ、どのような人が向いているのでしょうか?
・状況認識力
宇宙飛行士に最も必要なこととも言われています。飛行中は予期せぬ事態に直面することもありますが、そんな時、もし
パニックになっておかしな行動をとれば命を落とす可能性もあります。
どんな場面でも
正確に現状を把握して今後の動きを予測し、行動計画を立てる力が求められます。
トラブルがあった際に落ち着いて行動できる人、現状だけではなく、先を見越して判断することができる人は、現時点での状況認識能力が高いと言えるでしょう。
・リーダーシップ
現在、そしてこれからの宇宙飛行士には、世界の優秀な宇宙飛行士たちと肩を並べ、さらにそのトップに立つことが求められています。宇宙飛行士になれば、想像を絶するような難しい局面にさらされることもあります。
しかし
リーダーになれば、常にメンバーたちの意見をまとめ、最終的な決断を下さなければなりません。
真のリーダーシップを発揮するのは難しいですが、まずは
熱意や勇気、判断力、幅広い教養などを身につけることが大切です。
・協調性、コミュニケーション能力
宇宙飛行士は、仲間たちと協力して任務を遂行します。日本人だけではなく、外国人の宇宙飛行士と共同で作業することもあるため、
異なる考え方や価値観を持った人ともコミュニケーションをとり、協調性をもって行動しなければなりません。
さまざまな人が集まる場で過ごすことや、周囲の意見を聞くのが得意な人は、宇宙飛行士に向いています。また、
相手に自分の意見をわかりやすく伝えようとすることも大切です。
意外と低い給料
さてそんな過酷な試験や適性検査を突破してきた宇宙飛行士の給料ですが、実はそれほど高くありません。採用時の本給は
大卒30歳で約30万円、35歳で約36万円となっています。
また、年に1回の昇給と年に2回の賞与があり、扶養手当、住宅手当、通勤手当、特殊勤務手当などの諸手当が支給。
その他の待遇に関しては、独身寮や世帯向け宿舎が用意されているほか、各種社会保険、契約保養施設、スポーツクラブなども利用できるようです。
宇宙服を着て颯爽と歩く宇宙飛行士の姿に、憧れを抱く人は多いでしょう。
しかし、宇宙飛行士候補者として選ばれた人の中には、それまで医師やパイロットなど「高給」と言われる職業に就いていた人も多く、
宇宙飛行士になったことで収入が大きく下がるということは珍しくないようです。
まとめ
宇宙飛行士候補者になれば海外での訓練などが始まり、それまでの日常生活は大きく変わります。さらに、宇宙飛行士に選ばれたとしても、実際に飛ぶまで10年近く待たされる可能性もあります。
先の見えない中、ひたすら訓練を重ねる日々に耐えなければならないのです。また、宇宙は美しいばかりでなく、
一歩間違えれば命を失うとても危険な場所です。
このことから言えるのは、本気で宇宙飛行士を目指す人たちは、
とても強い覚悟を持って宇宙飛行士を目指しているということです。
それまでの地位や業績を捨てることができる人、見栄やプライドではなく
「宇宙に行きたい」という情熱が人一倍強く、夢に向かってずっと努力し続けられる人でなければ、到底務まらない仕事です。