第38回目となる今回は、『週刊少年キング』で1969年から1979年まで連載していた作品
『ワイルド7』の主人公、飛葉大陸(ひば だいろく)から学んでいきたいと思います。
先日、『ワイルド7』の作者である望月三起也さん(77)が終活WEBソナエのインタビューで、今年1月に肺がんを患い、医師から余命宣告を受けたことを発表されました。
医師からは「長くて1年、短くて半年」と“人生の締め切り”を言い渡された望月さんは、集大成として「俺の新選組」の続編を最後の作品として描くと宣言されています。
望月さんは余命宣告を受けた際に
「医師から呼ばれたとき、何となく分かっていたんです。『今度こそ宣告だぞ』って。かみさんと2人で説明を聞いた後、『あと半年あれば、何とかなるかな』って逆に思いました」と、残り少ない人生をどう生きるかを考えた結果、79年から80年にかけて連載していた『俺の新選組』という作品に対して「いつか続きが読みたい」というファンからの声が寄せられていたことを受け、「最後にファンの期待に応えたい」と続編に取り組むことにしたとのこと。
余命を宣告されてもなお、ファンに漫画を届ける漫画家根性はまさに"オトコマエ"!
そんなかっこよすぎる生き様を見せてくれる望月三起也さんを一躍有名にした代表作『ワイルド7』の主人公、飛葉大陸から男前を学びたいと思います!
「ワイルド7に作戦は必要ねえ!! 必要なのは その場そのときの 瞬間の適応性だ」
○オトコマエポイント
『ワイルド7』とは、「法では裁けぬ悪党を、裁判にかけずに殺すことを許された警察官」の集団の総称。7名の各分野のプロフェッショナル達で構成されています。
そんな彼らのリーダーを務めるのが主人公である飛葉大陸。彼が言う『ワイルド7』のモットーが上記のセリフで、戦術や臨機応変に立ち回れる頭の回転、ひらめきなどが重要だというわけです。
実際、上の画像のシーンはバイクで戦車に挑むことになった際に、ソリに砲弾を乗せ牽引し勢いをつけて発射し、見事戦車を撃破するというシーンです。
状況とその場にあるものを把握し、到底不可能と思える状況をひっくり返せる思考力と行動力は"オトコマエ"な要素ではないでしょうか。
「やっと武器のこわさを知ったようだな」
○オトコマエポイント
ターゲットである九鬼源介は、日本製の銃をアラブの紛争地域に売りさばく武器商人。制裁を与えるのは、もちろん九鬼が売りさばいていた日本製の「64式小銃」です。
当時の"まさに勧善懲悪"というストーリーですが、だからこそ「武器のこわさ」を痛感することができます。
飛葉自身も、武器を扱い生死をかけた戦いを常に強いられています。
武器などの力を持つのならば、当然使われる覚悟は持っていなければなりません。覚悟もなしに武力を振るうのではれば全く"オトコマエ"ではないでしょう。
何かを、誰かを守るためには時には力が必要かもしれません。しかしその時には、必ず武器と同時に覚悟を持って手に取りましょう。
「右に行くか左にいくかは自分で決める」
○オトコマエポイント
飛葉は鳥カゴを引きちぎりながら上のセリフを放ち、鳥を逃がします。これは、鳥のように誰かに命令されて動くのではなく、自分自身のやりたいようにやるという意思表示。
この時、飛葉は「ワイルド7」の結成時からずっと信頼していたメンバーに裏切られているかもしれないという思いを抱いています。
「周りの言葉に流されることなく、自分で確かめてから決める」という意志の強さは"オトコマエ"ですね。
人の言葉というのは、時に自分の利益というフィルターを通して発せられるもの。そういった言葉に振り回されていては、決して"オトコマエ"とは言えません。
大事な選択の際には人の言葉で決めるのではなく、自身で納得できるまで確かめて意思決定することが大事ですね。
まとめ
飛葉大陸は、リーダーだけあって最年少ながら戦闘能力・ライディングテクニック共に随一の実力を持っています。
勧善懲悪を人間にしたような性格で、ぶっきらぼうな性格で口も悪く、敵や悪党に対しては非情そのもの。しかし基本的には優しく仲間思いな一面を持っています。
"オトコマエ"な漫画家、望月三起也さんが生み出した、男らしい腕っぷしと優しさを兼ね備えたキャラクター「飛葉大陸」の勇姿を見て"オトコマエ"を学んでもらいたい。