好きなものは、ありますか?
子供の頃のおもちゃ、好きな音楽のレコード…大小の差はあれど誰しも何かを集めたことはあるのではないでしょうか?
『コレクション』に情熱を注ぎ、世界一の蒐集家と呼ばれる人たち。今回は世界一の
『鉱石標本』コレクターを紹介したいと思います!
世界一の鉱物コレクターの名前は
"アダルベルト・ジャゾット(Adalberto Giazotto)"さん。
1949年から鉱物結晶を集め始め、現在では1000点を越えたコレクションをイタリアのピサに “Giazotto Mineral Collection ”という名の博物館を建設し、展示されています。
前回の"ナイキスニーカーコレクター"のジョーダン氏といい、
度を超えたコレクターというのは博物館を建てたがるのでしょうか。
展示品の一部はホームページ上でも公開され、ほぼ実物大で写真を閲覧することが出来ます。
ジャゾットさんは
「大きく美しい鉱物結晶は、美術作品の傑作と同様に自然が創りだした極めて珍しい存在。ですが、採掘の際に爆破されたり、乱暴に扱われて傷ついたり、あるいは宝石として研磨されたりして、失われてしまう例が大半で、見事な標本が保存される例は極めて少ない。」
と考え、鉱石標本の収集を決意。
鉱石結晶の美しさに気づいてくれる人が増えれてくれれば、関心が深まり自分のように鉱石を保存しようとする人が出てきてくれるかもしれないという思いから博物館の建設、展示品のインターネット公開を開始したそうです。
そんな見事なコレクションですが鉱石結晶というのは要するに宝石の原石。
展示品の中には
巨大なトパーズやトルマリン、ロードクロサイトなど高価な石の結晶がゴロゴロと…。自分で発掘に行ったものもあるかもしれませんが、発掘作業にいくにも購入するにも莫大なお金が掛かるであろうことは明らかです。
そこには世界一の鉱物コレクターのもう一つの顔、
世界的な「物理学者」としてのジャゾットさんがいました。
ジャゾットさんはフランスとイタリアが共同で進めている重力波検出プロジェクト「Virgo」の代表者として、世界の最先端の技術者を率いて活躍しています。
このプロジェクトはアインシュタインの一般相対性理論を証明すると共に、物理学の究極の理論でもある大統一理論へ到達するための実験だそうで、世界からも注目されているのだとか。
頭のいい人というのは何かを集めたがるようなところがあるのでしょうか…。
確かに丁寧にカットされた宝石は美しいですよね。
しかし、その原石にもまた
自然本来の荒々しさと、偶然の賜物による美しさが存在します。
絶滅に瀕しかけている動植物は、繁殖に向けた運動などが行われますが、鉱物ではそうは行きません。カットされた鉱石は二度と元の形に戻ることはないのです。
失う前に気づかなければ、失ってしまった後には何も残りません。
これは私達の日常の中でも言えることでしょう。
"磨けば光る原石だ!"なんて才能ある人の事を呼ぶ時もありますが、
原石のままでも中々味があると思いませんか?
GIAZOTTO MINERAL COLLECTION
http://www.giazotto.com/