第30回目となる今回は、『別冊少年マガジン』で連載中の作品
『ハピネス』の主人公、岡崎 誠から学んでいきたいと思います。
【漫画のあらすじ】
地味でいじめらていた主人公、岡崎 誠(おかざき まこと)。うんざりしていた毎日を過ごしていたが、ある夜、謎の少女に襲われた。
気がつくと、岡崎はベッドの上。そして感じる体の異変。
“血”のにおいを敏感に感じ、見た瞬間湧き上がる欲望と驚異的な身体能力。
そしてそおの変化をきっかけにできた友達達。つかの間の楽しい学校生活は、岡崎の“覚醒”で突然一変する…!!
弱気な生活から突然変異により生活が変化してしまった主人公、岡崎 誠から"オトコマエ"を学びたいと思います!
「もう……やめてやってくれませんか…?」
○オトコマエポイント
少女に襲われた夜から体の様子がおかしくなり、次の日正気を保とうと必死だった岡崎は、抵抗しようといじめていた同級生の勇樹の顔面を殴ります。
そのせいで、逆にクラスからはみ出しものになった勇樹が、今度は上級生にいじめられることになってしまいます。
そのいじめられている現場を目撃した岡崎が、決死の思いで言ったセリフが上のシーン。
これまでいじめていた相手であるにも関わらず、止めようとする精神は"オトコマエ"ですね!これは誰しもが持っているものではありません。
もしかしたら岡崎は自分がいじめられていたからこそ、勇樹の気持ちが手に取るようにわかったのかもしれません。
このあと、返り討ちにあうと思いきや、軽く人を飛び越える程の驚異的な身体能力を見せつけ、撤退させるのですが、そんな岡崎を見ても何も言わない勇樹もまた"オトコマエ"です。
こうして二人は真の友達となるのです。拳で交わす友情もまた男らしいですね!
「そんなんじゃない…僕はそんなんじゃないよ…」
○オトコマエポイント
勇樹の顔面を殴った翌日、岡崎が登校すると同じようにいじめられていたクラスメイトからは「ヒーロー」扱い。
殴ったその日、岡崎は勇樹の鼻から流れる血をみて正気を失いそうになり、教室から走り出します。
校舎の端で欲望に耐えようと苦しむ岡崎は、同級生の五所さんの首に噛み付こうとしてしまいますが、抱擁され正気を取り戻しました。
勇樹を殴ったのは「自分の力」ではないとわかっていたのです。
しかし、弱い者が突然驚異的な力を手にしてしまった時、その力に溺れてしまうことが多いでしょう。
現実では漫画のような特殊な能力が目覚めるなんてことはありませんが、例えば急に大金を手にした時、正気を保てるでしょうか?
差異はあれど実際問題、性格が変わってしまう人がほとんどだと思います。それを岡崎はひけらかすことなく、自分は変わっていないんだと主張するのです。
普遍であることもまた、"オトコマエ"なのかもしれません。
「絶対に探すから 待ってて」
○オトコマエポイント
ただし、岡崎がいくら「変わらない」と思っていても、まわりの世界は姿を変えてしまいます。
血を見れば欲し、光がまぶしく感じ、夜になると高揚し、そして身体能力は増強されていきます。
すっかり仲良くなった岡崎と勇樹ですが、ある夜、ついに岡崎が“覚醒”。無意識のうちに"仲間"を呼んでしまいます。
気が付くと勇樹を含めた数人が行方不明、岡崎は血だらけで意識を失っていました。
ですが、大怪我を負っていても「友」となった勇樹だけは絶対に見つけるとつぶやきます。
そこでようやく、自分は普通ではいられないんだと悟るのです。
住む世界が日常から変化してしまっても、体が変化しても「勇樹と自分は友達である」ことは変わらない。
その決意のシーンは"オトコマエ"に他なりません。
まとめ
岡崎 誠は謎の少女に血を吸われたことによって、「吸血鬼」のような欲望と身体能力を手に入れました。
突如手に入れた驚異的な能力とその欲望に、必死に抵抗し"人間でありたい"と願う心の強さは目を見張るものがあります。
また、いじめられていた過去から弱いものの心がわかる男です。強さを手にしても、弱きものの味方であり続ける心の持ち主こそ"オトコマエ"なのではないでしょうか。