第29回目となる今回は、『週刊少年サンデー』でシリーズ連載中の作品
『サイケ、またしても』の主人公、葛代斎下(サイケ)から学んでいきたいと思います。
【漫画のあらすじ】
地味で目立たない平凡に毎日を過ごしていた葛代斎下(くずしろサイケ)は、ある日幼馴染の枳殻蜜柑にモグラ池に誘われるも、その帰り道に交通事故で蜜柑を亡くしてしまう。
夢に向かって励む蜜柑は死に、何の夢も持たない自分が生きていることに対し悲しみに暮れていると、突然地面が崩れ、サイケもまた池で溺れてしまいます。
死んだと思ったサイケですが、目を覚ますとそこは蜜柑が亡くなる日の朝。これが能力であると気づいたサイケは試行錯誤の末に蜜柑を救うことに成功する。
そしてこの力を使って「ヒーローになる」と決意したのだった…。
蜜柑を救うことで今までの怠惰な自分を改め、「ヒーロー」としての勇気を手に入れたキャラクター、葛代斎下から"オトコマエ"を学びたいと思います!
「拝啓神様………ボクは、今日から『ヒーロー』になります。」
○オトコマエポイント
あらすじにも書いたように、その日の朝へと時間逆行したサイケは幼馴染の蜜柑の死を回避するため、もぐら池に行かせまいと試みます。
しかし、願いは叶わず。三度チャンスをと、自ら池へと飛び込むと再び時間逆行。自分に「もぐら池で溺れると当日の朝に戻る」能力が備わったことを知ります。
能力を使い、何度も時間逆行を繰り返しトライ&エラーの末、蜜柑を救うことに成功、そこで初めて蜜柑がもぐら池に誘ったのは、昔埋めたタイムカプセルを掘り起こしたかったためだと判明します。
過去の自分からの手紙には「ヒーローになれましたか?」と書かれていました。そしてこの『時間逆行』の能力でヒーローになると決意したのです。
自分の性格というのはなかなか改善するのは難しいですよね。ですが、サイケのように能力を手にすることなど実際はそうはありません。
つまり、幼馴染の死などの後悔は先に立たせることができないのです。
サイケの「過去の自分からの手紙」のようにささいなきっかけで変われるチャンスがあるのならば、その瞬間を逃さない男こそ"オトコマエ"になれるのではないでしょうか。
「もう二度と…"死ぬ"なんて言わないって。」
○オトコマエポイント
能力者となったサイケですが、同じように能力に目覚めた能力者同士の争いに、サイケも否応なく巻き込まれていきます。
同じく能力者である氷頭(ひず)に目をつけられたサイケは「人生をつまらないゲーム」と称する氷頭の心を正すため、勝負を受けることを決意。勝利の暁には上記の約束をすることを誓わせます。
その戦いの中、氷頭は「能力を欲のために悪用」する他と違い、「人助けのため」に使うサイケをおもしろいと評価し、戦闘の末「ヒーロー活動」の手伝いを行うこととなります。
何度も幼馴染を目の前で失っているサイケにとって、「死」の悲しみは胸に刻まれています。
また、人生を「楽しくない」と感じている氷頭を昔の自分に重ね、最大限の努力でぶつかります。
自分がやらなくても誰かがやってくれると考えず、自分がやらなくてはいけないという信念に沿って全力で行動ができる男は"オトコマエ"に他ならないでしょう!
「その能力で誰かを救うことができるのなら……ボクは"悪魔"にでもなる……」
○オトコマエポイント
物語が進行し、いよいよ敵集団「ネガティブレイン」が登場。その集団のトップである黒田ユメヲの能力は「能力を消す能力」。
この能力に加え、予知夢を見る能力も持つユメヲに目をつけられ、その標的となります。
時間逆行の能力を持つサイケに対し「お前はヒーローではなく人の運命を捻じ曲げる悪魔だ」と指摘するユメヲに対する返事がこのセリフです。
人から"失敗する権利"を奪い、それに伴う成長を妨げていると揶揄され、実際にそうかもしれないと思ってしまいました。
しかし、サイケはそんな言葉など関係なしに、目の前に救える人がいるのならこの能力で救うと反論。
その本気さを伝えるかのように、ユメヲの能力に耐え消去を免れます。
時に正論を浴びせられようとも、本気で行動していることであれば押し通すのも"オトコマエ"かもしれませんね。
まとめ
サイケはこの能力を持つ以外は本当に平凡な学生です。
しかし、ささいな人助けのためや、戦闘内容の数十手を覚えるために「その日」を何度も繰り返す根性は相当なもの。
「目の前の困っている人を助ける」、それだけのために尽力する芯の強い男こそ"オトコマエ"と呼べるのではないでしょうか。