さわれない、使えない、欲しくない
お金恐怖症の男の田舎生活、果たしてどうなる!?
主人公・タケ役の松田龍平をはじめ、阿部サダヲ、松たか子、二階堂ふみ、西田敏行・・・と映画、演劇界を代表する豪華キャストが大集結した本作。
監督は、松田とは『恋の門』以来10年ぶりにタッグを組む鬼才・松尾スズキ。
原作は、その独特の世界観で、松尾監督をはじめ多くの著名人にファンを持つ漫画家・いがらしみきおの「かむろば村へ」。
学校も警察も郵便局も病院もない。
でもここにはどこまでも濃い村人たちと、不思議な力を持った“神様”がいる!
無鉄砲でヘタレなタケがつかみとった“お金を使わない生活”の行きつく先は―!?
誰も観たことがないリアルとファンタジーの間をいく爽やかなエンタテインメント快作がついに登場!
3月13日(金)に大阪ステーションシティシネマにて行われた舞台挨拶の模様をお届けします。
登壇:松尾スズキ監督(52歳)、松田龍平(31歳)
松尾スズキ
8年ぶりの新作、やっと映画を撮ることができて幸せに思っております。
いっぱい集まってくださってありがとうございます。
いがらしさんが四コマ漫画をいっぱい描いていた頃からファンで、残酷だったりシュールだったり、そういうアナーキーな作品で若い頃は憧れていました。
漫画家を目指していた時期に、自分も四コマ漫画を描いて出版社を回って、『いがらしみきおみたいなのは、もういらないんだ』なんて言われて挫折した思い出もあるんです。
それが巡り巡っていがらしさんの作品を映画化することになって、感慨深いものがありました。
主演を選んだ決め手は、コメディにはなるけれど、いかにもコメディコメディした俳優さんを使うのは安っぽくなるなぁという懸念があったので。ちょうどその頃、映画『舟を編む』で主演されて色んな賞を取って、格の上がった龍平くんを使わせてもらえたらなぁ、と(笑)。
(コメディっぽくない)そういう落差があったほうがおもしろさが倍増するというのもあり、昔培ったコネでなんとかねじ込ませていただきました(笑)。
松田龍平
“お金恐怖症”なんて、なかなか前例がないというかファンタジックな設定なので…でもとりあえず、お金使えなかったらキツイっすよね。(笑)
ほんと大変だろうなぁと思って、そういうギリギリ感というか、もう後には引けない思いで演じました。
“お金恐怖症”なんて測り知れないものがあったので、監督にご指導いただいて武晴が完成しました。
©2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』製作委員会
―監督が主宰する大人計画のメンバーも多く出演している本作。
彼らのキャスティングについて
松尾スズキ
あまり若い人が出てこない映画ですし、時代と共に大人計画の俳優も若くなくなっていって、ちょうど需要と供給が一致したという。(笑)
まぁうちの連中も20年やってきて、テレビや映画で結構知られる存在となってきたんで、使いどころだな、と。
大人計画色に染めたじゃないですけど、共通認識が持てる俳優仲間でもって一つの世界観を作るというのは有効なんじゃないか、と。
―大人計画のメンバーとの共演に関して
松田龍平
現場は温かい雰囲気でした。
笑いが絶えないにぎやかな感じで。
東京から1人田舎のとある村にやって来る青年の役だったので、迎えてくれる村人たちが本当に個性的でおもしろくて、“素”の自分でやってました。
―大阪について
松尾スズキ
よく舞台で京橋に来るんですが、朝から呑んでいるおじさんと、朝から呑んでるお姉さんと、出勤する人々という……(笑)。
……なんかいいな、と。
松田龍平
大阪の人は笑いに対して厳しい目をお持ちのイメージがあって、何もできないのは分かっているんですけど無駄に緊張するんです。
余計なことしてシーンとなることがわりと多くて…(笑)。
©2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』製作委員会
―最後の挨拶として
松田龍平
今日はこの楽しい雰囲気のまま映画を楽しんで、声を出して笑って楽しく帰っていただけたら嬉しいです。
松尾スズキ
キャスト、スタッフの甚大な努力のおかげで素敵な映画が仕上がったと自負しております。
4/4(土)から全国公開となりますので、この映画が面白いと思ったら、ご家族、親せき……卒業生たちに(笑)何の卒業生か分からないですが、おもしろかったよと伝えていただけたらと思います。
どうぞ宜しくお願い致します。
4月4日(土)全国ロードショー
大阪ステーションシティシネマ、なんばパークスシネマ
MOVIX京都、神戸国際松竹 他
©2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』製作委員会
【予告編】
【ストーリー】
現金に触るだけで失神してしまう“お金恐怖症”になってしまった元銀行マン・タケは、お金を使わない生活を送るために、過疎の村“かむろば村”へやってきた。
村人たちは、異常に世話焼きな村長・与三郎を筆頭に濃い顔ぶればかり。
彼らに助けられ、危なっかしいながらも奇跡的に一円も使わない生活を続けて村に慣れ始めた頃、怪しい風体の男・多治見が現れる。
与三郎に露骨な嫌がらせをしかける多治見だが、実は与三郎には不穏な過去があるようで・・・!?
一方で、迫りくる村長選挙を巡る陰謀が発覚し、タケの生活は思わぬ方向へ向かいだす・・・!
監督・脚本・出演:松尾スズキ
原作:いがらしみきお「かむろば村へ」(小学館ビッグコミックス スペシャル刊)
出演:松田龍平、阿部サダヲ、松たか子/二階堂ふみ、片桐はいり、中村優子/
村杉蝉之介、伊勢志摩、オクイシュージ、モロ師岡/荒川良々、皆川猿時、松尾スズキ/西田敏行
特別協力/福島県柳津町 特別協賛/福島民報社 配給/キノフィルムズ
2015年/日本/カラー/121分/配給:キノフィルムズ
http://www.jinuyo-saraba.com/
©2015 いがらしみきお・小学館/『ジヌよさらば〜かむろば村へ〜』製作委員会