著者の和田竜は、映画化もされた『のぼうの城』が、第139回直木賞の候補になるなど、時代劇・時代小説を専門とする作家だ。
ストーリーは、戦国時代に瀬戸内海を席巻した「海賊王」村上武吉の娘・景(きょう)が、信長に追い詰められ窮地に陥った本願寺を救うため、戦いに身を投じていく姿を描いた長編歴史小説。上下巻で1000ページ近い超大作ながら、上下巻で75万部を超すベストセラーになっており、今年3月には、第35回吉川英治文学新人賞にも選ばれている。
「全国書店員が選んだいちばん! 売りたい本」というキャッチコピーのもと、全国の書店員たちの投票で決まる「本屋大賞」。
今年で11回目を迎えた同賞は、書店員が売りたい本を選ぶというシンプルな選考方法から、読者に近い感覚で親しみやすい娯楽性の高い作品が多い。
過去の受賞作は
2004年本屋大賞(第1回)
『博士の愛した数式』 小川洋子/新潮社
2005年本屋大賞(第2回)
『夜のピクニック』 恩田陸/新潮社
2006年本屋大賞(第3回)
『東京タワー 〜オカンとボクと、時々、オトン〜』 リリー・フランキー/扶桑社
2007年本屋大賞(第4回)
『一瞬の風になれ』 佐藤多佳子/講談社
2008年本屋大賞(第5回)
『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎/新潮社
2009年本屋大賞(第6回)
『告白』 湊かなえ/双葉社
2010年本屋大賞(第7回)
『天地明察』 冲方丁/角川書店
2011年本屋大賞(第8回)
『謎解きはディナーのあとで』 東川篤哉/小学館
2012年本屋大賞(第9回)
『舟を編む』 三浦しをん/光文社
2013年本屋大賞(第10回)
『海賊とよばれた男』 百田尚樹/講談社
大賞の作品全てが、テレビドラマ化、ラジオドラマ化、舞台化、映画化、漫画化など、様々なメディアミックスがされている。
『村上海賊の娘』も近い将来、映画化、ドラマ化などに期待したいが、まずは是非、原作を読んでもらいたい。