【初心者向け】動画撮影に必要な基本用語解説
2025-07-09 13:51
「動画を始めてみたいけど、専門用語が難しくてよくわからない…」
そんなカメラ初心者のあなたに向けて、動画撮影でよく使われる基本用語をわかりやすく解説します。
このガイドでは、スマホ撮影でも一眼カメラでも役立つ知識を厳選。
初心者でもすぐに理解できるよう、使用例やポイントも紹介しています。
1. フレームレート(fps)|映像のなめらかさを決める
動画は“パラパラ漫画”と同じく、連続した静止画によって作られています。

フレームレート(fps)は、1秒間に何枚の静止画を使って映像を構成するかを示す数値で、映像の“なめらかさ”に大きく関係します。
「24fps」は、映画でよく使われています。落ち着いた雰囲気やシネマティックな印象を与えるため、ドキュメンタリーやVlogなどに適しています。
「30fps」は、テレビ放送やYouTube動画などで標準的に使われており、自然で違和感のない動きを再現できます。商品紹介やトーク系の動画にも向いています。
「60fps」は、動きの速い被写体でも滑らかに映し出せるのが特徴です。
人の動きやカメラの移動が速いシーンでも、カクつきやブレが抑えられるため、スポーツ映像やアクションシーン、子どもの走り回る姿やペットの動きなどを撮影するのに最適です。
「120fps」の高フレームレートを使えば、後からスローモーション処理ができるため、ダンスや演出映像など、動きに演出を加えたい場面で活用されます。
2. シャッタースピード|動きのブレをコントロール
シャッタースピードとは、1フレームあたりの「露光時間(=シャッターが開いている時間)」を指し、動きの見え方に大きな影響を与えます。

たとえば、速いシャッタースピード(例:1/500秒)に設定すると、動いている被写体の動きがピタッと止まり、シャープでブレのない映像になります。
スポーツや動きの激しいシーンなど、ブレを抑えたい場合に適しています。
一方、遅いシャッタースピード(例:1/30秒)にすると、動きに残像(モーションブラー)が出て、滑らかで柔らかい印象になります。夜景や演出重視の映像に向いています。
一般的な設定の目安としては、「1 / (フレームレート × 2)」が基準とされています。
例えば30fpsで撮影する場合、シャッタースピードは1/60秒が標準的です。この設定を基準に、撮影シーンに応じて調整していくと良いでしょう。
3. ISO感度(イソ)|明るさを調整する設定
ISO感度とは、カメラが光に対してどれだけ敏感に反応するかを表す数値です。
ISOの数値を変えることで、暗い場所でも明るく撮影できるようになりますが、その反面、画質にも影響が出るため注意が必要です。

ISO 100〜400の低感度は、ノイズ(ザラつき)が少なく、晴れた屋外や明るい室内など、光量が十分にある場面に最適です。クオリティを重視したい撮影にはこの範囲がおすすめです。
ISO 800〜1600以上の高感度に設定すると、夜間や暗い室内でも明るく映せますが、その分、映像にノイズが発生しやすくなります。
たとえば、夜景の撮影やライブ会場のように照明が少ない環境では、ISO感度を上げて明るさを確保することで、被写体をしっかりと写すことができます。
撮影シーンに応じて、「明るさ」と「画質」のバランスを意識しながらISOを調整することが、キレイな映像を撮るコツです。
4. 絞り(F値)|ボケ感と明るさをコントロール
絞り(F値)とは、レンズを通して取り込む光の量を調整する機構のことで、「F値(エフち)」という数値で表されます。
このF値の設定によって、映像の明るさや背景の被写界深度(ボケの深さ)が変わります。

F値が小さい(例:F1.8)とレンズの絞りが大きく開き、多くの光が入るため明るく撮影でき、背景が大きくぼけた印象的な映像になります。ポートレートやVlogなど、被写体を際立たせたいときに効果的です。
値が大きい(例:F8.0)と絞りが狭くなり、光の量が少なくなる代わりに、画面全体にピントが合いやすくなります。
風景や商品紹介など、細部までハッキリ見せたい場面に向いています。
背景をきれいにぼかして主役を際立たせたい場合は、F2.0〜F2.8あたりの設定がおすすめです。
撮影するシーンや演出の意図に合わせて、F値を上手に使い分けましょう。
5. フォーカス(ピント)|映像で見せたい部分を明確に
フォーカスとは、映像の中でどこにピントを合わせるかを決める設定のことです。

カメラには以下の2つのフォーカス方法があります。
オートフォーカス(AF)は、カメラが自動的にピントを調整してくれるため初心者でも簡単に使えます。手早く撮影したいときや動きのある被写体に便利です。
マニュアルフォーカス(MF)は、自分で操作してピントを合わせる方法で、背景をぼかしたい撮影や暗い場所での撮影に効果的です。
自分の意図通りにピントをコントロールしたいときに使います。
特に人物撮影のコツとしては、顔の中でも「目」にピントを合わせると自然で魅力的に見えるためおすすめです。
6. ホワイトバランス(WB)|色味を自然に整える
ホワイトバランス(WB)とは、光の色味を補正して、映像全体の色を自然に見せるための設定です。
撮影する環境によって光の色温度は変化するため、ホワイトバランスを適切に調整することで、“白が白く見える”ように色味を整えることができます。

カメラにはあらかじめいくつかの下記のプリセットWBが用意されており、撮影シーンに応じて簡単に使い分けることが可能です。
【プリセットWBの例】
太陽光:晴れた日の屋外撮影に最適。自然光の色味を忠実に再現します。
蛍光灯:照明特有の青っぽさを補正し、より自然な色合いに。
白熱灯:暖色系の光による黄色っぽさを抑えてくれます。
曇り:全体に少し暖かみを加え、柔らかな印象の映像に仕上がります。
こうしたプリセットを使うだけでも十分に効果がありますが、さらに色味を正確に合わせたい場合は、カスタムWBやグレーカードの活用がおすすめです。
【カスタムWBとは?】
カスタムWB(ホワイトバランスの手動設定)とは、被写体に当たっている光を基準に、カメラがその場の色温度を正確に計測し、最適な色味に自動補正してくれる機能です。特定の環境下で色が不自然に見えるときに使うと、とても便利です。
【グレーカードとは?】

グレーカードは、中間のグレー(18%グレー)を正確に再現するためのツールで、カスタムWBを設定する際の基準になります。撮影前にグレーカードを写しておき、それをもとにカメラにWBを合わせることで、光源の影響を最小限に抑えたナチュラルな色味の映像が撮れます。
特に商品撮影やモデル撮影など、色の正確さが求められる場面では、カスタムWB+グレーカードの組み合わせが非常に有効です。
7. カメラワーク|画角と動きで映像に表情をつける
カメラワークとは、カメラの構図の取り方や動かし方のテクニックを指します。どのようなフレーミングで被写体を捉え、どんな動きを加えるかによって、映像の印象や伝わり方は大きく変わります。

構図の代表的な例としては以下のようなものがあります。
ロングショット:被写体の全身と背景を広く写す構図で、人物の動きや周囲の状況を伝えるのに効果的です。
バストショット:胸から上を中心にフレーミングすることで、表情や会話などを自然に見せられます。
クローズアップ:顔の一部や手元、物の細部などにフォーカスを当て、印象的なカットを作る構図です。
次に、カメラの代表的な動きには以下のような種類があります。
パン:カメラを左右に振る動き。風景をなぞったり、被写体の動きに合わせたりする際に使われます。
ティルト:上下方向にカメラを傾ける動き。建物の高さを見せたいときや、人物の全身をなぞる場合に有効です。
ズーム:レンズの画角を変えて、被写体に近づいたり離れたりする表現。焦点を引きつけたい場面に効果的です。
ドリー:カメラ自体を前後に動かす技法で、空間の奥行きや臨場感を演出できます。
どのカメラワークにも共通して言える大切なポイントは、「動かすときはゆっくり・一定のスピードで」ということです。
急な動きやブレは視聴者に違和感を与えることがあるため、滑らかな操作を心がけると、よりプロらしい映像に仕上がります。
8. 音声収録(マイク)|「映像の半分は音」と心得る
音声収録(マイク)は、映像制作において非常に重要な要素です。よく「映像の半分は音で決まる」と言われるほど、音声の質が視聴者の印象に大きく影響します。

カメラに内蔵されているマイクは手軽に使えますが、周囲の雑音を拾いやすく、クリアな音を録るのは難しいことが多いです。
そこでおすすめなのが、外部マイクの使用です。ガンマイクやピンマイクなどの専用マイクをカメラに接続することで、ノイズを減らし、より鮮明でクリアな音声を収録できます。
もしお使いのカメラにマイク端子が備わっている場合は、ぜひ外付けマイクを活用して、映像のクオリティアップを図りましょう。
9. 解像度(HD・4Kなど)|映像のきめ細かさ
解像度は、映像の細かさ=画質の良さをピクセル数で示す指標です。

一般的によく使われる解像度には以下の種類があります。
HD(720p)は「1280×720ピクセル」の解像度で、ファイルサイズが軽く、スマートフォンでの視聴や通信量を抑えたいときに向いています。
フルHD(1080p)は「1920×1080ピクセル」で、現在最も標準的な解像度。YouTubeなどの動画配信や一般的な撮影用途に最適です。画質とデータ容量のバランスがよく、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
4K(2160p)は「3840×2160ピクセル」の高精細な解像度。撮影後にトリミングや拡大をしても画質が劣化しにくく、映像編集の自由度が高いのが魅力です。プロ向けの映像制作や、大画面での上映にも対応できます。
8Kは「7680×4320ピクセル」という非常に高い解像度を持ち、圧倒的な画質を実現できますが、データ容量が非常に大きく、対応機材や編集環境も高スペックが必要になります。
初心者の方には、まずは扱いやすくて汎用性の高いフルHD(1080p)がおすすめです。シーンや目的に応じて、解像度を使い分けていきましょう。
【まとめ】初心者がまず覚えるべき7つの用語
動画撮影に必要な基本用語と、それぞれのポイントをまとめると、次のようになります。
・フレームレート(fps)は映像のなめらかさを左右します。数値が高いほど滑らかに、低いほど映画のような質感になります。
・【シャッタースピード】は動きのブレを調整する設定です。速くすればシャープに、遅くすれば滑らかな印象になります。
・【ISO感度】は明るさを補う役割を持ちますが、数値を上げすぎるとノイズが出やすくなるためバランスが大切です。
・【絞り(F値)】は映像の明るさと背景のボケ具合に関わる重要な要素。F値が小さいほど背景が大きくぼけます。
・【フォーカス(ピント)】は見せたい部分を明確にするための設定。人物撮影では「目」に合わせるのが鉄則です。
・【ホワイトバランス(WB)】は光源による色の偏りを整える設定。撮影シーンに応じてプリセットやカスタムで調整しましょう。
・【カメラワーク】は構図と動きで映像に表情を与えます。構図と動きを工夫することで、視聴者の印象が大きく変わります。
・【音声収録(マイク)】は「映像の半分」と言われるほど大切な要素。外部マイクの活用で音の質が大きく向上します。
・【解像度(HD・4Kなど)】は映像のきめ細かさを決める指標。まずは扱いやすいフルHDから始めるのがおすすめです。
動画を始めると、最初は専門用語の多さに戸惑うかもしれません。でも、今回紹介した9つの基本を押さえておけば、どんな機材でもクオリティの高い映像を目指せます。
大切なのは「知って、試して、慣れること」。
スマホでも一眼でもOK。気軽に撮影を始めて、実際に設定を変えてみることで、知識が自然と身についていきます。
まずは実際に撮って、いろいろな設定を試してみましょう!
そんなカメラ初心者のあなたに向けて、動画撮影でよく使われる基本用語をわかりやすく解説します。
このガイドでは、スマホ撮影でも一眼カメラでも役立つ知識を厳選。
初心者でもすぐに理解できるよう、使用例やポイントも紹介しています。
1. フレームレート(fps)|映像のなめらかさを決める
動画は“パラパラ漫画”と同じく、連続した静止画によって作られています。

フレームレート(fps)は、1秒間に何枚の静止画を使って映像を構成するかを示す数値で、映像の“なめらかさ”に大きく関係します。
「24fps」は、映画でよく使われています。落ち着いた雰囲気やシネマティックな印象を与えるため、ドキュメンタリーやVlogなどに適しています。
「30fps」は、テレビ放送やYouTube動画などで標準的に使われており、自然で違和感のない動きを再現できます。商品紹介やトーク系の動画にも向いています。
「60fps」は、動きの速い被写体でも滑らかに映し出せるのが特徴です。
人の動きやカメラの移動が速いシーンでも、カクつきやブレが抑えられるため、スポーツ映像やアクションシーン、子どもの走り回る姿やペットの動きなどを撮影するのに最適です。
「120fps」の高フレームレートを使えば、後からスローモーション処理ができるため、ダンスや演出映像など、動きに演出を加えたい場面で活用されます。
2. シャッタースピード|動きのブレをコントロール
シャッタースピードとは、1フレームあたりの「露光時間(=シャッターが開いている時間)」を指し、動きの見え方に大きな影響を与えます。

たとえば、速いシャッタースピード(例:1/500秒)に設定すると、動いている被写体の動きがピタッと止まり、シャープでブレのない映像になります。
スポーツや動きの激しいシーンなど、ブレを抑えたい場合に適しています。
一方、遅いシャッタースピード(例:1/30秒)にすると、動きに残像(モーションブラー)が出て、滑らかで柔らかい印象になります。夜景や演出重視の映像に向いています。
一般的な設定の目安としては、「1 / (フレームレート × 2)」が基準とされています。
例えば30fpsで撮影する場合、シャッタースピードは1/60秒が標準的です。この設定を基準に、撮影シーンに応じて調整していくと良いでしょう。
3. ISO感度(イソ)|明るさを調整する設定
ISO感度とは、カメラが光に対してどれだけ敏感に反応するかを表す数値です。
ISOの数値を変えることで、暗い場所でも明るく撮影できるようになりますが、その反面、画質にも影響が出るため注意が必要です。

ISO 100〜400の低感度は、ノイズ(ザラつき)が少なく、晴れた屋外や明るい室内など、光量が十分にある場面に最適です。クオリティを重視したい撮影にはこの範囲がおすすめです。
ISO 800〜1600以上の高感度に設定すると、夜間や暗い室内でも明るく映せますが、その分、映像にノイズが発生しやすくなります。
たとえば、夜景の撮影やライブ会場のように照明が少ない環境では、ISO感度を上げて明るさを確保することで、被写体をしっかりと写すことができます。
撮影シーンに応じて、「明るさ」と「画質」のバランスを意識しながらISOを調整することが、キレイな映像を撮るコツです。
4. 絞り(F値)|ボケ感と明るさをコントロール
絞り(F値)とは、レンズを通して取り込む光の量を調整する機構のことで、「F値(エフち)」という数値で表されます。
このF値の設定によって、映像の明るさや背景の被写界深度(ボケの深さ)が変わります。

F値が小さい(例:F1.8)とレンズの絞りが大きく開き、多くの光が入るため明るく撮影でき、背景が大きくぼけた印象的な映像になります。ポートレートやVlogなど、被写体を際立たせたいときに効果的です。
値が大きい(例:F8.0)と絞りが狭くなり、光の量が少なくなる代わりに、画面全体にピントが合いやすくなります。
風景や商品紹介など、細部までハッキリ見せたい場面に向いています。
背景をきれいにぼかして主役を際立たせたい場合は、F2.0〜F2.8あたりの設定がおすすめです。
撮影するシーンや演出の意図に合わせて、F値を上手に使い分けましょう。
5. フォーカス(ピント)|映像で見せたい部分を明確に
フォーカスとは、映像の中でどこにピントを合わせるかを決める設定のことです。

カメラには以下の2つのフォーカス方法があります。
オートフォーカス(AF)は、カメラが自動的にピントを調整してくれるため初心者でも簡単に使えます。手早く撮影したいときや動きのある被写体に便利です。
マニュアルフォーカス(MF)は、自分で操作してピントを合わせる方法で、背景をぼかしたい撮影や暗い場所での撮影に効果的です。
自分の意図通りにピントをコントロールしたいときに使います。
特に人物撮影のコツとしては、顔の中でも「目」にピントを合わせると自然で魅力的に見えるためおすすめです。
6. ホワイトバランス(WB)|色味を自然に整える
ホワイトバランス(WB)とは、光の色味を補正して、映像全体の色を自然に見せるための設定です。
撮影する環境によって光の色温度は変化するため、ホワイトバランスを適切に調整することで、“白が白く見える”ように色味を整えることができます。

カメラにはあらかじめいくつかの下記のプリセットWBが用意されており、撮影シーンに応じて簡単に使い分けることが可能です。
【プリセットWBの例】
太陽光:晴れた日の屋外撮影に最適。自然光の色味を忠実に再現します。
蛍光灯:照明特有の青っぽさを補正し、より自然な色合いに。
白熱灯:暖色系の光による黄色っぽさを抑えてくれます。
曇り:全体に少し暖かみを加え、柔らかな印象の映像に仕上がります。
こうしたプリセットを使うだけでも十分に効果がありますが、さらに色味を正確に合わせたい場合は、カスタムWBやグレーカードの活用がおすすめです。
【カスタムWBとは?】
カスタムWB(ホワイトバランスの手動設定)とは、被写体に当たっている光を基準に、カメラがその場の色温度を正確に計測し、最適な色味に自動補正してくれる機能です。特定の環境下で色が不自然に見えるときに使うと、とても便利です。
【グレーカードとは?】

グレーカードは、中間のグレー(18%グレー)を正確に再現するためのツールで、カスタムWBを設定する際の基準になります。撮影前にグレーカードを写しておき、それをもとにカメラにWBを合わせることで、光源の影響を最小限に抑えたナチュラルな色味の映像が撮れます。
特に商品撮影やモデル撮影など、色の正確さが求められる場面では、カスタムWB+グレーカードの組み合わせが非常に有効です。
7. カメラワーク|画角と動きで映像に表情をつける
カメラワークとは、カメラの構図の取り方や動かし方のテクニックを指します。どのようなフレーミングで被写体を捉え、どんな動きを加えるかによって、映像の印象や伝わり方は大きく変わります。

構図の代表的な例としては以下のようなものがあります。
ロングショット:被写体の全身と背景を広く写す構図で、人物の動きや周囲の状況を伝えるのに効果的です。
バストショット:胸から上を中心にフレーミングすることで、表情や会話などを自然に見せられます。
クローズアップ:顔の一部や手元、物の細部などにフォーカスを当て、印象的なカットを作る構図です。
次に、カメラの代表的な動きには以下のような種類があります。
パン:カメラを左右に振る動き。風景をなぞったり、被写体の動きに合わせたりする際に使われます。
ティルト:上下方向にカメラを傾ける動き。建物の高さを見せたいときや、人物の全身をなぞる場合に有効です。
ズーム:レンズの画角を変えて、被写体に近づいたり離れたりする表現。焦点を引きつけたい場面に効果的です。
ドリー:カメラ自体を前後に動かす技法で、空間の奥行きや臨場感を演出できます。
どのカメラワークにも共通して言える大切なポイントは、「動かすときはゆっくり・一定のスピードで」ということです。
急な動きやブレは視聴者に違和感を与えることがあるため、滑らかな操作を心がけると、よりプロらしい映像に仕上がります。
8. 音声収録(マイク)|「映像の半分は音」と心得る
音声収録(マイク)は、映像制作において非常に重要な要素です。よく「映像の半分は音で決まる」と言われるほど、音声の質が視聴者の印象に大きく影響します。

カメラに内蔵されているマイクは手軽に使えますが、周囲の雑音を拾いやすく、クリアな音を録るのは難しいことが多いです。
そこでおすすめなのが、外部マイクの使用です。ガンマイクやピンマイクなどの専用マイクをカメラに接続することで、ノイズを減らし、より鮮明でクリアな音声を収録できます。
もしお使いのカメラにマイク端子が備わっている場合は、ぜひ外付けマイクを活用して、映像のクオリティアップを図りましょう。
9. 解像度(HD・4Kなど)|映像のきめ細かさ
解像度は、映像の細かさ=画質の良さをピクセル数で示す指標です。

一般的によく使われる解像度には以下の種類があります。
HD(720p)は「1280×720ピクセル」の解像度で、ファイルサイズが軽く、スマートフォンでの視聴や通信量を抑えたいときに向いています。
フルHD(1080p)は「1920×1080ピクセル」で、現在最も標準的な解像度。YouTubeなどの動画配信や一般的な撮影用途に最適です。画質とデータ容量のバランスがよく、初心者にも扱いやすいのが特徴です。
4K(2160p)は「3840×2160ピクセル」の高精細な解像度。撮影後にトリミングや拡大をしても画質が劣化しにくく、映像編集の自由度が高いのが魅力です。プロ向けの映像制作や、大画面での上映にも対応できます。
8Kは「7680×4320ピクセル」という非常に高い解像度を持ち、圧倒的な画質を実現できますが、データ容量が非常に大きく、対応機材や編集環境も高スペックが必要になります。
初心者の方には、まずは扱いやすくて汎用性の高いフルHD(1080p)がおすすめです。シーンや目的に応じて、解像度を使い分けていきましょう。
【まとめ】初心者がまず覚えるべき7つの用語
動画撮影に必要な基本用語と、それぞれのポイントをまとめると、次のようになります。
・フレームレート(fps)は映像のなめらかさを左右します。数値が高いほど滑らかに、低いほど映画のような質感になります。
・【シャッタースピード】は動きのブレを調整する設定です。速くすればシャープに、遅くすれば滑らかな印象になります。
・【ISO感度】は明るさを補う役割を持ちますが、数値を上げすぎるとノイズが出やすくなるためバランスが大切です。
・【絞り(F値)】は映像の明るさと背景のボケ具合に関わる重要な要素。F値が小さいほど背景が大きくぼけます。
・【フォーカス(ピント)】は見せたい部分を明確にするための設定。人物撮影では「目」に合わせるのが鉄則です。
・【ホワイトバランス(WB)】は光源による色の偏りを整える設定。撮影シーンに応じてプリセットやカスタムで調整しましょう。
・【カメラワーク】は構図と動きで映像に表情を与えます。構図と動きを工夫することで、視聴者の印象が大きく変わります。
・【音声収録(マイク)】は「映像の半分」と言われるほど大切な要素。外部マイクの活用で音の質が大きく向上します。
・【解像度(HD・4Kなど)】は映像のきめ細かさを決める指標。まずは扱いやすいフルHDから始めるのがおすすめです。
動画を始めると、最初は専門用語の多さに戸惑うかもしれません。でも、今回紹介した9つの基本を押さえておけば、どんな機材でもクオリティの高い映像を目指せます。
大切なのは「知って、試して、慣れること」。
スマホでも一眼でもOK。気軽に撮影を始めて、実際に設定を変えてみることで、知識が自然と身についていきます。
まずは実際に撮って、いろいろな設定を試してみましょう!