有名人が語る男前の条件「つるの剛士」

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俳優やタレントとして大活躍する一方で、音楽一家で育ち、自身も学生の頃から音楽活動を続けている、つるの剛士。08年には、羞恥心としてCDデビューを果たし大ブレイク。09年には、カバーアルバム『つるのうた』『つるのおと』でトータル60万枚ものセールスを記録した。そして、今年10月20日、遂に待望のオリジナル１stアルバム『つるばむ』をリリース。何故彼はそんなに波に乗れるのか？　インタビューを通して、そのワケが見えてきた。

「本当だったら、オリジナルとカバーを出す順番が逆だと思うんですけどね。でも、カバーアルバムでたくさんの曲を歌わせてもらったことで、日本の音楽ってこんなに素敵な曲がいっぱいあるんだって勉強になったし、いろんなアーティストさんとも関わりが持てた。だから、この順番は大正解だったと思います。カバーでいい経験をさせてもらってすごくインスパイアされたし、今後はオリジナルにそれをどう活かしていくかだと思っています」
　実際、パンクロックやヘビーメタルが好きで、バンド活動を行ってきたつるのだが、今回のオリジナルアルバムでは、アメリカンロック調だったり、つるのが中学生時代にハマっていたバンドブームを彷彿とさせるビートパンク風だったり、しっとりと聴かせるバラードだったりと、多彩なラインナップとなっている。
「カバーアルバムを出して、バラードをたくさんの方にいいといっていただいたし、僕自身も歌うことが魅力的だと感じたので、今までのロックな自分と、バラードを歌う新たな自分の中間地点のようなアルバムにしました」
　収録曲の中には、ザ・クロマニヨンズの真島昌利、東京スカパラダイスオーケストラ、KAN、元プリンセスプリンセスのボーカル・奥居（岸谷）香、KOHEI JAPAN、AIの『STORY』を手がけたKENなど、錚々たるメンバーが提供した楽曲が含まれている。カバーアルバムを歌ったことでできた縁が元となったアーティストもいる。
「カバーじゃなくて、どうしても自分の歌として歌いたいっていう欲が出てきて。奥居さんなんか特にそうですね。すごく普遍的なメロディを持ってる方じゃないですか。で、お願いしたら快くＯＫしてくれて。レコーディングも一緒にやらせてもらって、奥居節炸裂な曲になりました」
　4曲目に収録されている『Love Letter』だ。結婚10年目を迎え、恋心を失くしても関係を壊すこともできずに一緒にいる夫婦の、リアルな心情が描かれたバラード曲だ。
「『Ｍ』の続きみたいなものを歌ってみたいんですよねっていう話をさせてもらったら、“つるのくんは奥さんと結婚して何年目なの？”っていうメールが来るんです。どんな曲ができるんだろう？って思ってたら『Love Letter』で。歌詞を読ませていただいて、“奥居さん、うち結婚8年目になりますけどラブラブなんですよね”って言ったら、“でも敢えてこういう曲を歌って欲しい”って。だから、周りの人の悩みを参考に、想像して演じながら歌いました」

　“歌は役者業に似ていて、どこか演じる部分がある”と話すつるのだが、
「バンドサウンドだったり、応援歌となると自分の言葉でないと歌えなくて。一から書き直していいですか？って、蓋開けてみたら4曲も自分で作詞しちゃってました」
　中でも、7曲目の『はやぶさ』は、小惑星探査機はやぶさのニュースを見て、つるのが歌にしたいと思っていたテーマだ。
「メロディがイメージにぴったりだったので、これにしようと思って。一日でさーっと歌詞を書きました。はやぶさって、途中いろいろなハプニングに遭いながら、最後はカプセルを残して燃え尽きてしまう。最後に送られてきた地球の写真が、まるで涙で滲んでいるみたいだったと聞いて泣けてきたんですよね。でも周りに言っても誰も知らなくて。“何？どんな電車？”って（笑）。最近話題になってますけど、当時は僕だけだったんですよ、ニュース見て泣いてんの。題材にするには、これ絶対いいなと思って」
　そんな風に、他ではやらない新しいことを見つけることが、昔から得意なのだと言う。
「僕サーフィンやってるんですけど、すごく似てるんですよね。うねりを見つけるというか。常にずっと遠くの水平線を見て、なるべく早くうねりを見つけてそこに乗っていく。怖い時もあるんですよ。でもそれは仕方ないもん」
　言われてみれば、ウルトラマンダイナで主役を演じていたときにはヒーローブーム、そして、おバカブーム、カバーブームと、常にブームの最中にいる彼。それも、つるのの“うねりを見つけて乗る能力”があってこそなのだろう。『ウルトラマンダイナ』の主演を演じていた時は主婦層から、深夜ラジオのパーソナリティを担当していた時はトラックの運転手や受験生から、ヘキサゴンでは、お茶の間層から人気を集めファン層も拡大してきた。
「で、羞恥心でアイドルですからね。なんだこりゃ？　みたいな。でも、子どもがいて33歳でアイドルなんて絶対できないじゃないですか。心はロックだけど、こんなこともう２度とないから絶対楽しもうと思いました。僕は、タレント活動もやらせてもらって、音楽の世界にもいる。そういった意味で、橋渡しじゃないですけど、間を行ったりきたりして、音楽を聴いたことがない人たちも、いっぱい取り込みたいと思っています」

　ボーカリストとしてだけでなく、様々な楽器を演奏でき、俳優、タレント活動も行うほか、絵画や釣りの腕も上級、将棋は2段を取得…など、とにかく何でも器用にこなす。
「おバカっていうことでハードルが下がったんですよ。だから、僕は普通のことやってるだけなんですけど、楽器ができるとか、将棋が２段っていうだけで “えーっ!?”ってなる。今までの積み重ねがいっぱい貯金箱に貯まってて、羞恥心でブレイクしてバラバラ出たんですよ。ようやく僕ってこんな感じみたいなのが分かってもらえて、すごくやりやすいですね」
　そんなつるのが描く男前像とは？
「不器用な人ですね。まっすぐで、ひとつのことでしか生きていけない。捨てるものがない人。一番男前だと思うし、男から見ても格好いいと思います。憧れだけど、僕は器用を売りにしているのでなれないと思います」
　と言いつつ、愛妻家であり、1男3女の良き父親でもあるつるののことを、理想の旦那さまと憧れる女子は多いはずだ。
「小さい時から、好きな人にどうやったら振られないかっていうのをずっと考えてきました。芸能界に入りたいとか、目立ちたいって思い出したのも、好きだった子にいかに振り向いてもらえるかを考えたことが発端。今でも奥さんに振られるのコワイもん。やっぱり一番好きな人なので、どれだけ自分がいいと思っていても、奥さんがダメだと言ったらダメですね。奥さんに振られないように、誉めてもらえるように努力してます」
　好きな子に愛されるために頑張る。それは、草食系男子が多い今の時代には、女子としてはかなり頼もしい考え方である。
「何でしょうね。もっとみんな肉食った方がいいですよ！もっとセミを見習ってね。地下でストレス溜めて、地上に出てきて、メスに求愛するために、あんだけわーって鳴いて、交尾して散っていくみたいな。シンプルでいいですよね。って、無理やり好きなセミにこじつけましたけど（笑）」

アルバム『つるばむ』通常盤3,500円（ポニーキャニオン）
シングル『シュガーバイン』通常盤1,050円（つるロックレーベル）

インタビュー内で紹介した『Love Letter』『はやぶさ』のほかにも、ザ・クロマニヨンズの真島昌利が楽曲提供した “マーシー節”全開のロックをストレートに歌い上げた『死ぬまで夢を見る男』、「柔道世界選手権2010」の応援歌にもなった先行シングル曲『メダリスト』など全13曲を収録。応援歌から、切々と歌い上げるバラードまで、歌声、楽曲テイスト共に多彩で、シンガー・つるの剛士の才能が遺憾なく発揮された一枚。また、つるのが主催する『つるロックフェス』をきっかけに「アーティストとコラボ感のあるロックな曲を出していきたい」と作られた“つるロックレーベル”の第一弾シングル、the pillowsの山中さわおプロデュースによる『シュガーバイン』も同時リリース。

●ツアー情報
12月22日（水）グランキューブ大阪（大阪国際会議場） 18:00開場 / 19:00開演
【問】キョードーインフォメーション TEL：06-7732-8888

アルバム『つるばむ』の発売を記念して作られた、通常盤のジャケットと同じ写真が入ったノート（非売品）を５名様にプレゼント。ご希望の方は、住所、氏名、年齢、電話番号、できればインライフWEBの感想を書いて、12月12日（日）までに、
site@inlifeweb.comまでお送りください。たくさんのご応募お待ちしています！！
※当選の発表は、商品の発送をもって代えさせていただきます。

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