作品を制作し、人に見てもらおうと思ったきっかけは? |
写真をはじめた頃から人物をメインに撮っていましたが、最近までその作品はモデルになる被写体と私だけのものでした。それがモデルの家族や恋人、友達へと伝わって、
私自身ポートレートを撮影する意味を見つけていったと思います。
シンプルに真正面から撮ることが多いので、その写真が本当に作品として意味があるものなのかを考えた時期もありましたが、それが私のスタイルだと認識するようになってから人に作品を見てもらうようになりました。
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自分が作り出す作品のテーマは? |
昨年はボディパフォーマ−たちをモデルにした「BODY EXPRESSIONS」シリーズを制作しましたが、一枚一枚の作品テーマは被写体そのものです。その都度大きなテーマを設定することはありますが、私の作品のテーマは「人」そのものです。
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影響を受けたアーティストは? |
○ロバート・メープルソープ(写真家)
人物の強さを強調したヌード作品に衝撃を受けました。とにかくポージングやライティングが美しく完璧です。特に女性ボディビルダーの力強いヌードはそれまでの女性ヌードのイメージを覆され、写真展を見た後すぐに自分のセルフヌードを撮影したほどです。今回はその時撮影したセルフヌード作品も出展しています。
○サラ・ムーン(写真家)
物語性のあるテーマ、写真の奥にあるストーリーの表現に心を奪われました。アンニュイで儚いその表現手法が被写体が何であれ、彼女の世界観を表していて素晴らしい写真家です。
○グロリア・マルコ・ムヌエラ(写真家)
http://www.gloriamarco.com/
イタリア留学時代の私の恩師であり友人です。彼女に現像技術の指導を受けました。
彼女の最近の作品はカメラを使わないプリント、日本の魚拓(GYOTAKU)手法で作品を作るなど独創性があってリスペクトしている写真家です。
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あなたにとって創作活動とは? |
そこに撮りたいモデルがいるから撮る。動機はそこに尽きると思います。
モデルが男性であれ女性であれ、いつもベタベタに惚れ込んでいますから。
撮影の現場ではモデルと私の一対一での空間でどれだけモデルの感情面をコントロール&支配し、私自身の願望をどれだけモデルに投影できるか。そして「こうありたい」という私自身の欲望をモデルたちに表現してもらっていると言ってもいいでしょう。
なので時々ある種の恐怖感を自分の作品に対して抱くことがあります。
またモデルに私が支配され撮らされることも多く、実のところその感覚が本当に心地よい。モデルが「撮ってくれ!」という無言の合図を送りだし、そのタイミングでシャッターを切る。モデルの人間としての存在を愛おしく思い、それを写真という形に残す役割を私は担っているという感覚を覚えることも多いです。
作品はモデルと私にとって本当に大切な時間を共有した証しとして存在します。私が作品を発表するということに重点を置けない理由は、そこにあると思います。
今回が私の写真生活初の個展になります。
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今後の目標は? |
普段は、美容室の広告やヘアメイクアーティストユニットとのコラボレーション、舞台やショーの撮影、ブライダルなどのお仕事をさせていただいていますが、技術的な部分と表現力のアップを今現在のテーマにしています。
作品創りという点に関しては、今年は日本人のポートレートをメインテーマにしようと考えてます。いいモデルが集まりつつあるので制作に入るのが楽しみです。
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